今週もニュースが盛りだくさんで日々のブログでカバーしきれないので今週のつぶやきでまとめさせていただきます。
トピを立ち上げたかったのが甘利大臣の辞任劇。先週のテレビで国会の様子を見ていた限り標的にされていた甘利大臣の顔つきはいかにも八方ふさがりという表情でした。「一週間」の時間を貰ったのは安倍首相に後任の調整をしてもらい、なるべく迷惑がかからない幕引きをするための準備だった気がします。事実関係は週刊誌の報道の時点で掴んでいたでしょう。
辞任はやむを得ないというコメントが多いようですが、私から見ればハニートラップではないですが、完全に嵌められた脇の甘さが致命的だったと思います。私は思惑通りにいかなかった建設会社の嫌がらせのような気がします。それ以上に秘書がおバカさんでした。私も企業の秘書を経験していますが、当時、政治家の秘書とのやり取りは苦手でした。上から目線で一体どっちが議員なのか分からないほど威張っている人も多いのです。○○代議士の秘書という名刺だけで周りを「ははっ!」と言わせるあの自信はどこから来るのか完全な勘違いの世界がまだ続いていたということでしょう。
TPP署名式への航空券はやはり手にできず、副大臣が身代わりで行くようです。実に格好悪い役割です。TPPの交渉はないからそれ自体に影響はないという安倍首相の言葉はその通りに受け止められません。正直、一番安泰でTPPの推進国だった日本で旗振り役の主役が突然降ろされたのですからこれから始まる「TPP生みの苦難」を物語っているような気がします。
さて日銀の定例政策会議ですが、既報の通り新規ブタ積み(付利)についてのマイナス金利適用となりました。本件は書きたいことがありますので明日のブログで改めてトピとさせて頂きますが、正直、「あまのじゃく黒田」の異名を心底裏付ける形となりました。個人的には首をかしげています。市場は一旦消化出来ず、乱高下したあげく、結果としては為替が好意的に動き、よくわからないまま470円強上げて引けました。これで日欧米の1月の中銀の政策が出そろい、2016年の方向感も探っていく形になりそうです。
次いでアメリカの10-12月のGDPですが、0.7%と事前予想を若干下回り、2015年年間では2.4%の成長となりました。日経にはやや不安視するといった内容になっていますが、この数字だけみれば十分な成果だと思います。ただ、2016年がこの流れを引き継がないことは年末の利上げ転換を見ても分かります。また、雇用は良くても賃金が上がらない、ついては消費が盛り上がらない点は注目すべきでしょう。自動車ローンもローン金利引き上げ前の駆け込みを期待しているような感じもあり、春以降の販売動向は今まで通りにはいかない気がします。
次いでタカタCEOの高田重久会長兼社長にようやくの辞任目途のニュースです。正直申し上げるとこの方は日本の恥だったと思います。何故、このトップは表に出なかったのかずっと不思議でした。これが自動車業界のやり方だという説明もあるようですが、そうならば業界のメディアに対する姿勢は完全に間違っています。
特にこの創業家3代目の社長は父親でカリスマ性のあった重一郎氏の作り上げたレールの上を走るだけで脱線した際の処理の仕方について全く分からなかったのではないでしょうか?それ以上に「大奥」で重久氏の母様である暁子氏が裏で操っていたのではないかとされる点は昨年の大塚家具の騒動と真逆のケースで実に奇妙ですっきりしない事件だったと思います。
来週の注目は2月4日のシャープの決算発表です。その時に液晶事業の処理問題、および産業革新機構VS鴻海の最終結論を発表するのでしょうか?私は一貫して鴻海への売却が総じて有利な話だと思っていますが、日経には産業革新機構と既に話が出来上がっていると報じていています。ほぼ断言調なのでそうなのだろうと思いますが、鴻海によるTOBがないとは言えない気がします。サプライズが続く今日この頃、何が起きるか予想できません。
では皆さん良い週末を。
岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 1月30日付より