こんにちは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
昨日は、障がいの有無を問わず誰もが演劇などのライブイベントを楽しめるよう、観劇環境の向上(情報保障の充実等)を目指して活動をされているNPO法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(TA-net)が主催する「観劇支援システム研究会」に第一回のゲストとしてお招きいただきました。
参加者の半数以上は聴覚障がいの当事者で、
手話通訳に加えてアプリ「UDトーク」による字幕保障もばっちり。
私からはこれまで自分が取り組んできたウェブ・アクセシビリティや、議会における情報保障の徹底などをご説明させていただいた後、都立施設で行われる
劇・舞台などの字幕情報保障の現状についてディスカッションさせていただきました。
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聴覚障がい者の方々は、どのように生の観劇を楽しむのでしょうか?
残念ながら多くの方は、気に留めたことがないのではないかと思います。
「字幕が付いている映画を観ればいい」
「生の舞台にまで情報保障を求めるなんて、贅沢だ!」
そのように考える方も、悲しいことですがいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、聴覚障がい者であっても
「生の舞台を見たい!」
という方は当然にいらっしゃいますし、障害の有無で特定のエンターテイメントから排斥されることは、極力少ない社会の方が理想であることは疑いありません。
演劇や舞台によっては貸出タブレットに文字を映す「字幕サービス」を提供しているケースもありますが、公演者の善意に依存している状況であり、まだまだ数は少ないのが実情です。
以前に中途失聴者で内閣府障害政策アドバイザーを務める松森果林さんが、「ワンピース歌舞伎」を見に行く際に情報保障が受けられず、台本貸出の交渉における苦難を紹介されていました。
「スーパー歌舞伎2ワンピース」台本を借りて楽しみました
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20151031
最終的に松森さんたちは台本貸出を受けられたものの、あくまでこれは「個別対応」ということで、観劇の公式HPなどに「こうした情報保障をウチはしますよ!」という記載は今後も行われないそうです…。
最低限の生活範囲では徐々に進みつつある「情報バリアフリー」も、この分野では非常に立ち遅れていると言えるでしょう。
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こうした状況下においては、行政が積極的に改善を牽引する必要があります。
ところが、東京都が所管する施設での状況はどうでしょうか?
都が所管し、外郭団体「東京都文化歴史財団」が運営している東京芸術劇場では、
「自主公演では、すべて字幕サービスを実施しています」
と胸を張りますが、自主公演は年間でわずか6公演程度。
外部団体が行うものに関しては、やはり自主性に任されており、字幕サービスを提供しているものは多くないようです。
また、TA-netの方々から指摘されたのは、東京都が主催する「都民芸術フェイスティバル」について。
都が多額の公費を投入しているイベントにも関わらず、字幕サービスを導入している演劇イベントは1コンテンツのみ。
都民芸術フェスティバル公式HP
http://tomin-fes.com/index.html
しかもHPでの案内が非常にわかりづらく、一つ一つの公演をチェックしなければ、情報保障の有無が確認できません。
サービス別の検索機能をつけるなどは、技術的にすでに可能なはずです。
さらにはトップページに置かれている「フェスティバルガイドPV」でも、音声のみで字幕対応がまったく行われていないなど、残念ながら障がい当事者の方々への配慮は欠けている状態と言わざる得ません。
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今年4月からは障害者差別解消法も施行され、少なくとも行政機関においては「合理的配慮」を行うことが義務化されます。
障害の有無で一部の人々が観劇から排斥されることのないよう、まずは行政関係機関からの対応を広げるべく、私も微力ながら政策提言をしていきたいと思います。
少なくともHPの表記や検索対応につきましては、かつて警視庁HPで障がい者対応の掲載をしていただいた例もありますので、早急に働きかけを行う次第です。
参考:警視庁HPに「聴覚や言語等に障害がある方へ」が追加されました!
http://otokitashun.com/blog/daily/4726/
質疑応答も非常に活発で、大充実。
貴重なご意見をいただいたTA-netの皆さま、本当にありがとうございました!
それでは、また明日。
おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 31歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、地方議員トップブロガーとして活動中。
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