日銀発世界金融不安

欧州の銀行不安がシステム不安に広がり、債券市場は大混乱。

マイナス金利が銀行の収益を奪い、財務を傷め、ドイツ銀行は利払い不能になるという不安説まで流布し、ドイツ銀行自身が否定しなければならない、という事態。欧州の銀行不安、金融システム不安は本物だ。

これにとどめを刺したのが、日銀のマイナス金利導入。これが、欧州の不安にとどめを刺し、世界的な銀行株の下落となっている。米国銀行株まで大きく下落しており、日銀のマイナス金利が、原油暴落に代わって、世界金融市場暴落の犯人となった。

ギリシャ、ポルトガルの国債は大暴落し、マイナス金利が広がり、ドイツ国債、米国債の利回りが急低下している中で、二極化が鮮明となり、リスクが上昇する一方、質への逃避が進みすぎ、質の高いところもマイナスの利回りでは、短期のキャピタルゲイン狙いの輩だけが蔓延る、大混乱の市場となり、資金が落ち着くべき場所がなくなり、世界市場は大混乱だ。

唯一盤石と思われた米国も、景気減速懸念で金利引き上げなどあり得ないという雰囲気。10年債も継続して下落しており、金利上昇局面と思えない。

もちろん、最悪は日本で、政策金利におけるマイナス金利の幅は欧州の方が大きいが、もともと、日銀が世界手圧倒的に自国債を大量に買い上げており、長期債の利回り低下はもともと酷く、そこへマイナス金利で、ついに10年債までがマイナス金利の衝撃だ。ここは厚い市場なので、そこがマイナスになるとは、すべての日本のソブリン、国債がマイナスになったのと同じで、銀行、とりわけ地域金融機関、ゆうちょは収益を上げようがなく、安定収益を失った今、リスクのある融資など新たに出来るはずもなく、銀行不安が世界に広がり、そこから不況、デフレが世界中の実体経済に及ぶことになる。

日銀のマイナス金利は、日本をデフレにするだけでなく、世界金融市場を混乱させ、世界中の銀行不安を加速させ、システム不安をもたらした。

最悪のマイナス金利だ。