日本経済新聞のこちらのデータによれば、2014年は約4756万人の給与所得者が納めた約8兆5124億円の所得税の49.1%にあたる4兆1777億円を、4.1%の給与所得年間1000万円超の人たちが負担しているそうです。
所得税の問題はともかく、このデータから「高所得者は基本的に低所得者よりも必死に働いた」といったコメントをしているブロガーさんがいましたが、努力をすれば年収1000万円を超えられるのでしょうか。
「頑張っている」「一生懸命やっている」だけでは結果は出ないと思っています。なぜなら、やり方が間違っていては、どれだけ頑張っても報われないからです。問題は努力する・しないではなく、収入を増やすための戦略的な方法を知らないことにあります。
年収というのは「年収=労働時間 × 時給」ですから労働時間を増やすか時給をあげるしか年収を増やす方法はありません。労働時間には限界がありますから、どうやったら時給をあげられるかを考えるのが収入アップのためには必須です。
時給が高い人に共通するのは「希少性」です。その人にしかできない、その人にどうしても頼みたいというスペシャルな人になることが必須です。なぜなら、誰でもできる希少性の無いことは、価格競争に突入してしまって、時給が下がってしまう構造的問題から逃れられないからです。
その希少性を高める1つの要素として「何をするか」は重要です。自分の得意分野を見つけることで他の人にはマネのできない領域を作っていくことになります。しかし、それよりも重要なのは、実は「どこにいるか」です。
風の吹かないところで帆を張っても船は動かないけれども、風が吹いているところにいれば、どんな船でもそれなりに前に進むことができます。そこにいるだけで、それほど大きな努力をしなくても、結果が出ることがあるのです。逆に、居場所を間違えてしまうと、いくら努力してもそれが結果に結びつかないということになります。
金融機関にいるだけで高い給与をもらっている人、ベンチャー企業にいるだけで株式公開で富を手にした人・・・。努力していないとは言いませんが、本人の努力だけでは同じ結果は得られなかったはずです。
収入をあげるためには努力も大切ですが、それでは越えられない壁がある。だから努力する時間を減らしてでも、自分がどこにいるのが良いかを考えた方が結果が出るように思うのです。少なくとも私の場合はそうでした。
4月から始まる資産運用講座では、投資でお金を増やす方法が講義の中心ですが、自分の収入を増やす戦略についてもお話したいと思っています。
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※内藤忍、株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。
編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年2月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。