安倍総理はトランプ氏に会ったことがあるのか?

松田 公太

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昨日の予算委員会では、大きく分けて二つの質問をさせて頂きました。

一つは安保法制の詰めを行うための5党協議について。
もう一つは消費税増税の延期の必要性について。

最初の質問への入口として、前日に結果が出たスーパーチュースデー(米国大統領候補の指名争い)について聞きました。

ドナルド・トランプ氏が大統領になる可能性が以前より高まってきたため、現時点での評価を確認しておきたかったからです。

ご存知の方も多いと思いますが、トランプ氏は日本に対して厳しい発言を繰り返しています。

TPPや貿易問題もそうですが、安全保障の片務性に言及し「日本はタダ乗りしていて、不公平だ」と、日米安保条約の見直しも示唆しているのです。

そのような方が大統領になれば、条約の改正を求めてくることが考えられますし、集団的自衛権の行使を強く要請してくることもあるでしょう。
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これは昨年の安保法案を議論している時から私が危険性の一つとして取り上げてきたこと。つまり、誰が大統領になるか、誰が首相になるかの予想もつかないので、それを考慮しながら仕組みを作っていかなければならないということです。

だからこそ、苦肉の策としての「修正案」でした。

国会の事前承認を入れることによって、米国大統領から自衛隊派遣を強く求められても、「国会を通すプロセスが必要」と即答を回避することが出来るようになったのです。

また、安保法制の詰めの作業をするための5党協議を早急に開催してもらうよう要求もしました。総理は「自民党としては実現に向けて努力すべきことは当然だ」「5党の間でしっかりと議論を行い実現に向けて努力していきたいと考えております」と前向きな答弁をしてくれましたが、3月末が施行日ということであれば早急に進めなければなりません。これ以上遅延が無いよう、引き続きプッシュしていきたいと考えています。

消費税の質問については、また明日にでも書かせて頂きます。

(因みに、質疑中に引用したトランプ氏の「ABEに一度会ったことがある。とても賢い奴だ。キャロライン・ケネディ大使を接待漬けにして、ワインや食事をご馳走して、何でも日本のいう事を聞かせるようにしている」の言葉は、昨年の8月にアラバマ州で発せられたものです。総理は「選挙中でございますので、特定の候補者についての会った、お会いしていないも含めて、コメントを差し控えさせて頂きたいと思います」と答えてくれませんでしたが、実際二人は会ったことあるのでしょうかね…笑)


松田公太宣材


編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年3月4日の記事を転載させていただきました(写真はGATAGより、アゴラ編集部)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。

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2016-01-15