「高市さんは混同している」と嘘をつく鳥越氏

山田 肇

朝日新聞サイトに「「高市さんは混同している」 停波言及に鳥越氏ら会見」という記事が掲載されていた。記事によると鳥越氏は次のように発言したという。

政治的なことは、できる限り公平な立場で事実を伝えるのは当然。しかし、政府の税金の使い方に国民の立場から疑問がある場合に、批判的に伝えるのはメディアの当然の権利で、それを高市さんは混同している。

テレビ局の停波問題は税金の使い方の問題だったのだろうか。安全保障法制に関する報道姿勢について、『放送法順守を求める視聴者の会』が産経新聞と読売新聞に意見広告を出したのが発端である。それを今さら「税金の使い方」と言う鳥越氏は嘘つきだ。

僕は停波問題についてハフポストに「岸井氏らは法律のつまみ食いをやめて、放送法の全面改革を求めるべき」という記事を投稿したことがある。日本版ハフポストは朝日新聞が運営しているので、彼らの肝試しのつもりで投稿したのだが、さすがに掲載拒否とはならず目につかないように隅の方に掲載された。

鳥越氏や岸井氏らの2月29日の声明は、放送法の目的は「放送による表現の自由を確保すること」にあり、高市総務大臣は表現の自由を侵そうとしていると批判した。しかし、放送法第一条にかかれた法律の目的は、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによつて、放送による表現の自由を確保すること。」であって、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障すること」が前提となっている。鳥越氏や岸井氏はこの前提に言及していない。今度は、税金の使い方に関する批判だという。

第二次世界大戦の反省に基づいて放送法は1950年に制定され、国民に代わって放送法を執行するのが総務大臣である。総務大臣の発言は現行法に基づくもので、間違っていない。先の投稿にも書いたが、鳥越氏や岸井氏は嘘をつき続けるのはやめて、「放送局の特権は放棄する代わりに放送固有の規制は撤廃すべき」と主張しなければならない。