ワシントン通が占う共和党予備選でトランプ候補は?

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ワシントン通で知られ、予備選を含む選挙動向では比類ない分析力を発揮するバージニア大学のラリー・サバト教授。満を持して、水晶玉に映るかのような共和党予備選の結果を占っております。

ご案内の通り、7月18~21日開催の共和党大会で正式に指名を受けるには代議員数を1237人確保する必要があります。目下の注目は、このマジック・ナンバーにトランプ候補が到達できるのかという点に集中していますよね。

サバト教授は・・・「できる」と予想しています。しかし、その数字は非常に際どい1239人といいますから、波乱の幕開けすら予感させる。同教授が想定する今後の予備選/党員集会での獲得代議員数は、こちら。なお、ペンシルベニア州でその他に54人加算されている理由は支持者を表明していないためで、撤退した候補者に票が入るという意味ではありません。

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こうしてみると、単純な勝者総取り方式の州でクルーズ候補が勝利していくものの、トランプ候補が満遍なく代議員数を積み重ねていく見通しです。大票田のカリフォルニア州でも、大多数を勝ち取る公算が大きい(ちなみにカリフォルニア州をはじめとした部分的勝者総取り方式とは、単純に首位の候補が全ての代議員数をさらっていくのではなく、概して下院議員の選挙区ごとの結果をベースに勝者総取りになるといった方式を差し、さらに州ごとに細分化される場合もある。なお州から選出された特別代議員は、下院議員の選挙区に含まれない)。

共和党も、勿論こうした皮算用は実施済みでしょう。その上で、敢えて脱落した大統領候補のリンゼー・グラム米上院議員(サウスカロライナ州)やジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事など、死ぬほど嫌いなクルーズ候補の支持にまわっているもよう。トランプ候補がマジック・ナンバーに到達しないよう、主流派が反トランプ戦線を張った狼煙と考えられます。

(カバー写真:Gage Skidmore /Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年3月28日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。