新年度入り、気分一新!

1月よりもむしろ4月の方が気持ちを一新して何か新しいものに取り組みやすい気がします。それは陽の光がより強くなり、春の息吹と共に我々も目覚めやすいからかもしれません。暦上の新年よりカラダは陽気に対して正直なのでしょうか?

さて、新入生も新入社員もフレッシュが持ち前ですが、社会人になるとこのフレッシュは原則、一度しか味合うことが出来ません。サラリーマンを20年やれば20回、春があったはずですが、なかなか心機一転とならず、ただ何となく過ごしてしまう人も多いでしょう。

私もビジネスにプライベートに何か新しいものに挑戦するように心がけています。特に中小企業や個人事業主の方の場合、同じ仕事を延々と繰り返すため、日々の生活に刺激が少なくなっています。そのしがらみから抜け出そうと努力しても作り出した枠組みは思った以上に堅固でなかなか抜け出せないのが実態ではないでしょうか?

大きめの企業にお勤めの方は数年に一度ある転勤で気分一新出来るのだろうと思いますが、その転勤も何度もつづけば刺激がマンネリに変り、専門的知識の習得がおろそかになったりすることもあります。あるいは、成長しなくてはいけないのにいつの間にか現状維持で満足するケースもあるようです。

日本は島国ということもあり、「外敵」という視点で考えると比較的刺激が少なく、また、安泰な地位を保ちやすいことが特徴です。大陸にいると陸続きで他の国と様々な接点をいやおうなしに持つため、刺激も多く、物事が思った通りに行かないこともあります。その点で日本はずいぶん有利な立場だと思います。

ですが、今後もこの安定した地位が維持できるかといえば私は疑問を持っています。外交一つにしてもトランプ候補は日米安保の見直しや核保有容認というにわかに信じられないような発言をしています。これはアメリカの大統領が変われば日本の地位は右にも左にも変わるという意味です。

中国では上海のディズニーランドが6月にオープンします。事前人気は沸騰しており、東京ディズニーランドも今までのような横綱ビジネスは出来なくなるかもしれません。シャープや東芝の様につい数年前までは破竹の勢いだった企業がここまで変わり果てた姿になることもあります。つまり、今や、何十年も安泰なものなど何もないのです。

多くの日本人は国(=役人)が守ってくれるという人任せ的な発想を持ち続けています。景気が悪くなれば国に文句を言い、社会問題が起きれば国に苦情を言います。ゴミ屋敷があって迷惑しているというのも役所が主体で動きます。

私は外国に長く住んでいて思うことは役所に頼ることはほとんどない事でしょうか?役所が主体的に動くほど人材もいません。事件があっても小さなものなら警察も迅速に対応してもらえません。つまり、全部、自分で自分を守らなくてはいけないのです。仕事でも同じで自分が今後生きていくうえでどうやったら良いのか突き詰めると「スキル」を持ち合わせ、俺はこれが出来る、私はこんなものが作れる、といった強みを持つことかと思います。

最近のトレンドをみると企業はマニュアル化を進め、社員に与える権限をより細くし、歯車の中の歯車だけを延々とやらせるケースも見受けられます。企業はリスク管理、コンプライアンスと称し、トラブルを未然に防ぐことに精力を傾けます。しかし、そこで働く社員さんは本当に日々のライフを満喫しているのでしょうか?

私が心配する日本はそこにあります。「昔は良かった」という50代から上の人たちの回顧主義では世の中は改善できません。新年度入りだからこそ、若い人にもっと刺激があってもよいでしょう。奮い立つ、という言葉がありますが、正に気分を一新させてチャレンジする気持ちを育んでもらいたいと思います。

では今日はこのぐらいで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 4月1日付より