岡崎の市民提案イベント支援体制がヤバい

以前、宣言したように、豊橋110周年の補助事業(50万円)の市民提案イベントに先立ち、「勝手に」キックオフWS(ワークショップ)を開催します。

その勉強のため、「お手本」としている岡崎市の100周年市民提案イベント補助事業の担当者にお話を聞きに行きました。
160409_183810s
「NPO法人 岡崎まち育てセンター りた」事務局の三矢勝司さん。

名古屋・千葉・東京で修行し、2005年に故郷・岡崎に舞い戻ったサスライのまちづくり人。 岡崎まち育てセンター・りた事務局次長。 名古屋工業大学コミュニティ創成教育研究センター・研究員。博士(工学)
 – https://www.facebook.com/katsushi.mitsuya 

岡崎の100周年補助事業は、「新世紀岡崎チャレンジ100」という名称で行われています。160409_01
 – http://www.city.okazaki.lg.jp/330/challenge100.html

そして、その窓口は市役所ではなく、新世紀岡崎チャレンジ100事務局として、地域のNPOである「りた」が受託。 そのため、担当者も市職員でなく、三矢さんというわけです。

まず、初めに驚いたのが、岡崎が100周年、豊橋では110周年を迎える新年度(平成28年度)4月までの、スケジュールの余裕さとそれまでの準備の丁寧さ。

豊橋のスケジュールがこちら
160409_02
 – http://www.city.toyohashi.lg.jp/24041.htm

昨年末に発行された、広報とよはしの1月1日号で、募集が告知され、その締切が約1ヶ月後の2月5日。 その後、審査期間が約2ヶ月あり、3月末に採択/不採択の発表。

そして現在、多くの団体が、事業計画書など事業開始までに提出しないといけない書類づくりに四苦八苦されている・・・ 募集告知から現在までの期間は約3ヶ月ちょっと

これに対して、岡崎のスケジュールがこちら。

160409_challenge100boshuuyoukou01
あまりに違い過ぎて、どこから書けばいいかわかりませんが、大きく次の4つ

1.新年度までの準備期間が1年以上
一番はじめのスケジュールが昨年の3月。 当然、これより前に告知はされているはずです。 豊橋は告知開始が、約3ヶ月前

2.事前説明会の実施
なぜ豊橋でやらなかったのかわからない事前の説明会。 岡崎では、曜日や会場を変えて丁寧に6回も事前に補助事業の説明会を実施しています。

3.告知~締切が半年以上
豊橋では実質1ヶ月で企画を考え、然るべき連携体制などある程度の実施可能性を整え、そして申請書を書く必要がありました。 これは、なかなかに大変です。 これに対して、岡崎では半年以上。 自ずと告知期間も長くなるため、多くの団体が、より質を高めた提案ができます。

そして・・・、

4.採択~実施も約半年
昨年10月中旬までに採択団体が決まり、実施が本年5月より。 ということは、この間も半年あります。 スケジュールには何も書かれていませんが、実はここが最もすごいところ。

「企画はいいんだけど・・・」という粗削りな提案があるわけです。 特に予算面での精度とか。 それをこの半年の間にきちっと支援して、事業計画書を整え、100周年の新年度からちゃんと事業が進められる状態に持ってくる、と。

一方、今、豊橋の採択団体(と市役所の担当やサポート各課)は、この作業に、わたわたしているはず。 この作業を前年度のうちに終えているというのは、本当にすばらしい。

僕の知っている豊橋の企画でも、実施日が来月5月はじめ、というものがあり、ちゃんとそれまでに事業計画できるのか、ちょっと気になっています。 

豊橋市のスケジュールがパツパツなのはその通りですが、それほどひどいものかというと実はそうではありません。 市民向けの補助事業として不親切なのは確かですが、事業者向けの事業などでは、このくらいのスケジュール感なのは、よくあります(残念ながら)。

岡崎がすごいんです。

こんな前倒しなスケジュール見たことない。 1年以上前から募集して、半年前には採択決定ってなんぞ。

その結果として岡崎では、既にこのようなイベント一覧のパンフレットが完成・配布されています。
160409_03
PDFでも公開されています。
 – http://www.city.okazaki.lg.jp/330/challenge100_d/fil/gaido.pdf

特設サイトもあります
160409_04s
 – http://challenge100.jp/

地元エフエム放送で、PR番組もスタート

実は4月1日より、FMおかざきさんから
チャレンジ100事業の情報をコーナーを作って紹介していただいています!!

◆タイトル◆ 「Let’s岡崎チャレンジ100」
◆放送時間◆ 毎週金曜日 13:00~13:15
◆放送局◆ FMおかざき 76.3MHz

※「大島光子の金らじワイド」10:00~15:00の中のコーナーです。

 – FMおかざき「Let’s岡崎チャレンジ100」、本日の放送 | 新世紀岡崎チャレンジ100 
  http://challenge100.jp/news/detail/6

なにが悲しいって、豊橋でも当然10年前に100周年を迎えました。 そのとき、同様の市民提案イベントの補助事業があったのですが、その経験が活きている様子が全くないこと。

一方、岡崎が豊橋に学んだのかどうかは知りませんが、少なくとも、豊橋でも100周年で同様の事業があったことを把握されていました。

今回、ワークショップの担当者を紹介してもらうにあたり、事前にNPOりたの事務局長である天野裕さんから、次のメッセージをいただきました。

長坂さんのブログに趣旨として「豊橋の111年目以降の共同イベントの開催などを想定」とありますが、これが本当に大事で、この手の事業をただのばらまきや打ち上げ花火に終わらせないためには、継続性や自立性をどう育むかがカギとなります。

りたが現在担っているチャレンジ100事務局は時限的な部署ですが、同じく、りたが受託し運営市民活動センターの隣にあるため、チャレンジ100事務局がなくなっても、市民活動センターがある程度受け皿になりつつ101年目以降につなげていけたらと思っています。

10年前、ぼくは東京で学生をしており、100周年の豊橋で行われた市民提案イベントを見ておらず、今の豊橋にある何が、そこからの成果で、活かされている経験なのかわかりません。

しかし、100周年を経験した豊橋と、これから100周年を迎える岡崎なのに、今の時点で、市民提案イベントへの支援体制としては、圧倒的な差がついていることを、とても残念に思います。

といっても過去を振り返っても変わらないので仕方がありません。 豊橋の110周年は、はじまったばかりですが、僕は120周年を見据えて、これからいろいろ仕掛け、仕込んで行きたいと思います。

岡崎で開催されたWSの具体的な話や学びを書こうと思ったのですが、長くなってしまったので、それは近いうちにまた改めて。

では!


愛知豊橋・長坂なおと のblog より

プロフィール
長坂尚登|1983年愛知県豊橋市生まれ。
地元の時習館高校卒業後、東京大進学、コンサルティング会社で働き、10年間東京で過ごす。2012年にUターンし、商店街マネージャーとして、豊橋のまちなかを奔走。2013年から内閣官房より地域活性化伝道師を拝命。
2015年商店街マネージャーを退職し、豊橋市議に立候補。新人トップ当選で、現職(無所属)フェイスブックページ