昨日の弊ブログ「162.日経とFTの差はどこから?」の最後に、17日(日)に予定されているドーハ会議にロシアがどのようなスタンスで臨むかについて、12日(火)のIgor Sechinの発言に要注目、と書いた。
FT記事(”Rosneft chief Igor Sechin says low oil prices will not last” Apr/12/2016 2:20pm)によると、スイス・ローザンヌにおけるFT Commodities Global Summitの会合でSechinは、直接的にはドーハ会議について触れていないが、
・将来の供給不足を回避するためには50ドル以上が必要
・皆が我々の作業が成功することを期待している
(everyone is expecting the successful outcome of our work)
・米国の生産量が減少しているので、市場はタイトになっている
と述べたそうだ。
これをどう読むか?
市場は好意的に受け止めたようで、WTI(終値42.17ドル)もブレント(終値44.69)も大幅に上昇し、今年の最高値を記録した。
注目されるのは、ドーハ会議にも出席予定の、イラクの国営販売会社(SOMO)のボスFalah Almriの発言だ。
生産凍結合意が唯一の価格支持策だから合意すべきだ、詳細はすべてこれからの討議次第だが、としながら「イランは制裁前の水準まで増産する権利がある」
(He said Iran has the “right” to increase production to pre-sanction levels)
と述べているのだ。
イラクはすでにこれまでで最高水準の450万B/Dの生産を達成しており、おそらく余剰生産能力がもうないのだろう。
ドーハ会議で生産凍結に合意できるかどうかは不確実だが、ひとつだけ間違いがないのは、仮に2016年1月あるいは2月の生産水準で凍結(イランは制裁前の生産水準までの増産を許容する、という特別措置)したとしても、供給過剰状態はすぐには解消されない、ということだ。
現在の価格レベルでは、アメリカの生産量がゆっくりと下落することにより世界全体の供給量が減少し、一方、需要量もゆっくりと上昇することになるので、リバランス(需要と供給が均衡すること)が実現するのは、早くても来年早々と思われる。
さらに、積み上がった在庫がどのような影響を与えるのか、また地政学リスクの暴発は起こらないかが重要なポイントになろう。
もっとも市場は短期的には「思惑」で動くので、激しい乱高下は続くのだろうな。
編集部より:この記事は「岩瀬昇のエネルギーブログ」2016年4月13日のブログより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はこちらをご覧ください。