「シリア和平協議に暗雲」報道について

アレッポで激しい戦闘、シリア和平協議に暗雲:AFPBB News http://www.afpbb.com/articles/-/3084172

2月27日発効の「停戦」は、特定の勢力との間だけであり、しかもそこに停戦違反があっても米露が「目をつぶる」ことにより「停戦違反とは認めない」がゆえになりたっていた。3月にロシアはシリア撤退宣言をしたが、アサド政権はロシアがアサドを見捨てればプーチンの威信が失墜するという「弱み」を握っており、可能な限りロシアの支援を引っ張って使いながら軍事的な制圧範囲を広げようとしている。

そもそもアサド政権にとって交渉で解決するメリットはないのだから(アサド一家とそのクローニーの放逐といった譲歩がなければ和平交渉は成立しない)、和平協議に関する情報は撹乱情報の効果を持つ。


編集部より:この記事は、池内恵氏のFacebook投稿 2016年4月15日の記事を転載させていただきました。転載を快諾された池内氏に御礼申し上げます。