就活で会社の雰囲気を知りたければ食堂に行くべし

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(写真)セミナーで講演する筆者。

最近、就活生から「会社の社風を見分ける方法」について聞かれる機会が増えてきました。実は、インターンや先輩からはなかなか有益な情報を得ることができません。特に会社が意図的に用意した人材ならなおさら会社のネガティブ情報を吸い上げることは困難です。会社の評判を聞いても知りたい情報は入ってきません。

また、インターンや先輩が社内でそれなりの立場であったとしても、社内の情報まで精通しているか分からないものです。

一般的に目安とされる離職率や業界の評判は上場企業であれば比較的容易に把握することは可能ですが、中小企業などではそのような情報は非公開ですから知る由もありません。しかし、志望する会社であればきっちりと情報を収集しておかなくてはいけません。

まず、手っ取り早いのは社員に聞くことです。世間話の振りをしながら社員に話しかけます。しかしセミナー時に話しかけることはできませんから、まずは会社の風土について肌で感じることです。もっともベターなのはお昼時の社内や社食です。

「○○大学の××です(名刺を渡す)。いま御社の受験を考えています。先ほど会社説明会に参加しました。本当に素晴らしい会社ですね。こんな会社で働ける社員の皆さまがうらやましいです」

このように何名かに話しかけて、相手の微妙なニュアンスを見逃さないようにしてください。場合によっては「会社のビジョンが見えてきません。経営陣はちゃんと発信しているのですか」などと、ちょっと卑下することを口にしてみます。

会社や経営陣が卑下されたとあったら、社員は面白いはずがありません。このような時の話にも表情ひとつ変えずに乗ってきたり、嫌な顔をしなければ「なにかある」と判断することできます。また相手が年齢のいった役職者であればより確信に変わってきます。

大手上場企業や重厚長大型の会社には少ないのですが、ベンチャー企業で成り上がった社長のなかにはマネジメントを学ぶ機会が無く、内部の体制が未成熟であるケースが少なくありません。そのような会社は自身の志向に照射しなければいけません。

情報収集の手法としてはあらゆる手段があります。よい情報も悪い情報も充分に踏まえたうえで、自身の判断で取捨選択することをおすすめします。くれぐれも表面上の情報に惑わされないことです。

尾藤克之
コラムニスト/経営コンサルタント。議員秘書、コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ)『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。
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