投資初心者に資産運用を教えるための「3つの工夫」

明治大学でも女性向けのスマートキャリアプログラムと明治大学リバティアカデミーの2つの講座が開講になりました。教室となっているお茶の水の明治大学キャンパスの近くには、20代の頃通っていた懐かしいお店がまだ存在するのを発見しました(写真)。

既に開講している、丸の内朝大学マネーコミュニケーションクラス、早稲田大学エクステンションセンター「資産設計塾(30)」と合わせると、全部で150名の受講生に資産運用を教えていることになります。

どの講座も資産運用の未経験者が半数程度いて、知識ゼロから退屈なことを如何に楽しく教えるかに苦労しながらお話していますが、短い時間で理解度を高めるために話し方に3つの工夫をするように意識しています。

1つは、例え話を入れることによって、具体的なイメージを持ってもらうことです。例えば、資産運用の基本となるアセットアロケーション(資産配分)ですが、幕の内弁当に例えて説明してみました。お弁当のご飯とおかずの比率が大切なように、どの資産をどのように組合せれば良いかが最も大切だということを理解してもらいます。

無味乾燥な資産のグラフではなく、お弁当の絵を想像することで、アセットアロケーションをイメージしやすくなったのではないかと思っています。

2つ目は、面白いエピソードを織り込むことです。自分が今まで資産運用をしている中で経験した、興味深い出来事を失敗談を含めて率直にお話しています。海外不動産視察で起こった事件、国内不動産の「歪み」を見つけた時の話など、書籍にはかけないような「ここだけの話」を披露して興味を持ってもらうようにしています。「スベらない話」になるよう努力しています。

そして3つ目は、一般論ではなく出来るだけ受講生1人1人が「自分事」として考えるようにしてもらうことです。例えば、これから円高か円安かを聞くだけではなく、実際の自分の資産配分と相場に対する見通しが一致しているかと問いかけることによって、為替の一般的な話ではなく、自分の外貨運用の方法について問題意識を持ってもらうようになります。

どの講座も受講生の目標は、資産運用の基本をゼロから学び、投資の第一歩を踏み出せるようにすることです。これから2か月、150名にどんな変化が現れるのか。人生を変える講座になって欲しいと、今から楽しみにしています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。

資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。