エコノミークラス症候群対策とガラス飛散防止を!

尾藤 克之

(出版懇親会にて)左が山崎氏、右は編集者の城村氏。

このGWに熊本地震災害に伴うボランティア活動に従事している人も多いことだろう。しかし危険が伴うため活動できる地域は限定されている。熊本県内においても、県内在住者限定、市内在住者限定、登録制など募集対象地域によって適用が異なっている。県内の市町村災害ボランティアセンターで情報を確認されたい。

今回は実際にボランティア活動をおこなっている、ビルメンテナンス・清掃業務の会社社長の、山崎慶氏(以下、山崎)に話を伺ってみた。

●報道では伝わらない現地の状況

まず、山崎は、現地にはいり報道とは異なる微妙なニュアンスを感じたようである。福岡県大牟田市と熊本に親戚や知人がいたことから支援の必要性を感じて早々に救援物資を送ろうと考えたが宅配や郵便の配送を確保できなかった。

その後、熊本に救援物資が集中して大分が手薄なことがわかり、知り合いの会社を経由して大分に救援物資を運んだ。現在、熊本方面と大分方面に行きやすい拠点を確保して活動をしているとのことである。

「救援物資については手続き上の理由から配布されないものが多かったと思います。賞味期限が切れてしまい大量の食材を廃棄したと聞いたときには残念に思いました。被災地ニーズを考慮していないということかも知れませんが歯がゆいですね」(山崎)

また、生活ゴミが多いので衛生面が気になるそうだ。さらに余震も続いており精神的にも辛い状況であると。

「すでに食材の心配は無くなりました。いまは、マスク、使い捨ての手袋、ウェットティッシュ、トイレットペーパー、消毒薬、ドライシャンプー、石鹸、オムツなどが必要だと思われます。食材であれば、『瓶詰ではなく缶詰』、そして保存食が喜ばれます。また、車内泊の人が予想以上に多いので、エコノミークラス症候群予防のために柔道整復師などが避難所に常駐していると安心です。」(山崎は柔道整復師でもある)

●ガラスの危険性を認識しよう

山崎は、民家、学校などにおけるガラスの危険性について次のように述べている。

「基準に適合していない建物では窓ガラスが大量に落下してガラス片が飛散しています。ガラスは割れると鋭い破片となり凶器になるため大変危険です。震度6クラスの地震がきたらガラスが割れることを防ぐことは困難ですが防止策を講じることはできます。飛散防止フィルムは非常に有効だと思います。」(山崎)

ガラスが割れても破片が飛び散らないようにする施策が必要である。ガラスの飛散防止フィルムには価格も安くホームセンターなどでも購入しやすいので、この機会に検討されてはいかがだろうか。ぜひ地域住民の安全のために役所が中心となって民家や学校への導入(補助)を推進してもらいたいものである。また、前述のように、飛散防止フィルム自体の価格は高くない。ガラス1枚辺り数千円くらいから購入できる。

「車のスモークフィルムと同じ作業といえば分かりやすいでしょう。窓をキレイにしてフィルムに石鹸水を吹きつけて密着させます。カッターで余分な箇所をカットしてフィルムを外し施工面に石鹸水を吹きつけて密着させます。ゴムへらを使用して作業をすれば気泡もはいらないのでキレイに仕上がります。」(同)

飛散防止フィルムは即効性の高い施策といえるだろう。

山崎は、柔道整復師の団体などにも働きかけて、被災地にマンパワーの支援を検討しているとのこと。そう話す山崎の表情には一点の曇りもなかった。

●尾藤克之(BITO Katsuyuki)
コラムニスト/経営コンサルタント。議員秘書、コンサルティング会社、IT系上場企業等の役員を経て現職。著書に『ドロのかぶり方』(マイナビ)『キーパーソンを味方につける技術』(ダイヤモンド社)など多数。
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