FIT法(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法)の改正を審議するにあたり、昨日は三名の参考人を経済産業委員会に招致して、意見聴取と質疑を行いました。
FIT法というのは再生可能エネルギーの固定価格買取制度に関する法律です。今回の改正では、国民負担を抑制するために価格決定方法を見直したり、未稼働案件を排除・防止するために設備認定から事業認定へ変更したりすること等が盛り込まれています。
三名の参考人の立場は明確でした。山地憲治さん(公益財団法人 地球環境産業技術研究機構 理事・研究所長)と石川和男さん(NPO法人 社会保障経済研究所代表)は原発推進で、FIT法の改正に賛成。和田武さん(和歌山大学客員教授)は原発反対でFIT法の改正に疑問を呈しています。
興味深いのは、全く方針が違う参考人でも、質問を掘り下げていくと共通点が生まれるということです。
例えば、廉価な電気として原発は稼働させる必要があるとしている石川さん。核燃料サイクルも進めるべきだと考えているようですが、私が関連した質問をしたところ「目標を設定して、その目標が達成できないようなら撤退するべきだ」と答弁しました。それは私が安倍総理に予算委員会で話をしたことと同じです。私は、サイクルからはすぐにでも撤退してワンス・スルーにするべきとの立場ですが、どうしても続けたいと言うのならば、最終納期を決めてやるべきだと提言したのです。それでダメなら諦める。一番いけないのはズルズルと続けることなのです。
また、和田さんの推進する「市民共同発電所」。どのような問題があるかと聞いたところ、やる気のある市民がいれば、あとは「資金調達」と即答されました。因みに、石川さんは再生可能エネルギーは「最後まで責任をとれる大手」がやるべきとの考えですが、私の質問にはベンチャーの可能性を否定せず、「人と金(ファンド)があれば可能」とのことでした。
つまり、お互い突き詰めれば問題は同じようなところにあり、これをクリアする方法さえ出てくれば、長期的には同じ方向に進むことができるということです。それこそが右でも左でも無い「是々非々」の可能性なのです。
Aが正しい、Bが間違っているではなく、お互いの良いところと悪いところを認め、学びながら、ものごとを進めていく。
私はこれからも、その政治的スタンスを追求していきたいと思っています。
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会代表)のオフィシャルブログ 2016年5月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。
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