今週もいくつか気になったトピックスがありますのでそのあたりを中心にいつもの「今週のつぶやき」をお届けしたいと思います。
まずは東京都に住んでいなくても気になる舛添都知事の動向です。報道を見る限りついこの前まで聞こえた舛添節はトーンダウンし、会見資料に目を落とすというより、目線がうつむき加減で心底ダメージを受けている様子が見受けられました。かつて同様のトラブルを起こした方々の流れから推測するとマスコミと世論は舛添さんをもはや許さないように感じます。つまり弁護士がどう言おうが、どれだけ正当性を言い訳しても(正当だとは思えませんが)都政の停滞も鑑み、身を引くしか道がないのではないでしょうか?
彼はギリギリの線を狙いすぎました。それがビジネス交渉で線からはみ出していないなら「ディール巧者」と言われるかもしれません。しかし、政治家とは「選挙民」との信頼関係のもと、民意をくみ取り、議会を通して実行していくことです。つまりルールにあるからどうこう、というより、民意の代表として道徳的で規範ある行動を考え、実行していかねばいけないでしょう。
さて、始まったG7。まずは財務相会議の記事の見出しは「英国EU離脱が最大のリスク」(日経)と出ています。そうでしょうか?私はアメリカの大統領選挙の行方がもっとリスクだと思っています。個人的には英国は離脱の道は選ばないとみています。世論調査も調査機関やタイミングで大きく変わりますが、今のところ残留派が多いようです。例えば19日の調査では残留派が52%、離脱賛成派が41%で決めかねている人が7%です。つまりこの調査に基づけば実態としては残留が確定的です。人々の行動心理からするとある方向性に色がつき始めるとそちらに向かいやすい傾向がありますので個人的には割と大差で残留が決まるとみています。
それより、アメリカの大統領選の行方ですが、ドナルド トランプ氏が大統領になったらどうなるか、このところ考えていたのですが、経済には大きくプラスするとみています。口が悪いので、その言葉の本当の意味合いがうまく伝わらないケースも多いのですが、主張していることに理が適っていることは多く見受けられます。
例えばメキシコとの国境に壁を、という主張ですが、これは既に建設されつつあるものなのです。「2006年安全フェンス法」に基づき進められているプロジェクトでそれがまだ、完成していないだけの話で、トランプ氏はその完成を急ぐべし、という趣旨だったと思われます。最近では国連への負担金の割にアメリカはメリットを十分に享受していないと再三指摘していることを受けて潘基文事務総長がトランプ氏批判をしたようです。潘基文国連事務総長の能力は歴代総長で最低レベルと言われている中で多額の負担金を出すアメリカのポジションはあたかも大株主でありその批判にこたえられない国連はやはり無能だということをさらけ出したのではないでしょうか?
では大統領選挙ですが、クリントン対トランプの対決で私に選挙権があったらトランプ氏に一票を投じます。理由はクリントン氏のスタイルはそよ風のように心地よいけれどアメリカが眠りについてしまい、世界への刺激がなくなってしまうからです。日本にとっても経済だけをみれば両者の比較ではトランプ氏の方が有利で中国寄りのクリントン氏となれば目も当てられないかもしれません。但しTPPは廃案です。
次の話題です。アメリカ衣料業界の雄、ギャップの廉価版であった「オールドネイビー」が大幅縮小するようです。日本からは撤退となります。またギャップよりやや上質感で売ってきた「バナナ リパブリック」も北米では一部店舗の閉鎖をすると発表されています。日本のメディアは低価格のオールドネイビーが失敗したというトーンですが、全般的に不調でメインラインであるギャップを通じて再構築しなおすという風に見受けられます。
バンクーバー空港の近くにあるアウトレット。たまに覗きに行きますが衣料関係の店舗は何処も必死の値引き攻勢。ブルックスブラザースの最大80%引きの看板も目につきましたが、客でごった返しているわけではありません。トミーヒルフィガーあたりのポロシャツなら3000円もしないでしょう。結局、大衆向けの衣料店はブランドが多く、激戦度合いが尋常ではないということかと思います。
では消費者がどれだけ衣料にお金を費やすか、ですが、安物ばかり山のように買ってもカラダは一つですし、日本のようにワンシーズンしか着ないというファッションセンスは北米にはあまりないですから、当然の淘汰という気がします。もう一点言うなら大きくなりすぎて経営のフレキシビリティがなくなってしまう巨大企業は留意した方がよいと思います。それはユニクロでもしまむらでも同じで結局、規模の拡大=店舗数の拡大ですから何らかの原因で世の中の風向きが変わった時、対応が取れないケースが出るということです。業種は違いますが、マクドナルドがまさにその例だと思います。私はいつか、大企業優位の時代に変化が訪れる気がしています。
では今日はこのぐらいで。良い週末をお過ごしください。
岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 5月21日付より