どうも新田です。ネット上のライトサイドの住人たちが喜ぶようなタイトルを付けて恐縮ですが、先日のヤメ検弁護士の記事がヤフーで200万PVを超えてしまって、その二番煎じを狙うようなゲスい意図ではなく、ちょっとマジメに出口戦略を見据えた記事です。都議会総務委員会の集中審議で、政界では、舛添さんとの親密ぶりが噂される公明党までが退陣を突きつけ、参院選への影響を懸念した官邸がとうとう「舛添切り」に判断を傾けたとの観測が出てきました。
(時事通信)公明が辞職要求=自民にも容認論-舛添氏「リオ五輪後に判断を」・都議会集中審議
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016061300420&g=pol(夕刊フジ)“舛添斬り”官邸ついに決断か 後継探しに着手…嵐・櫻井パパも浮上
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20160613/plt1606131140002-n1.htm
都知事を辞めても食っていけるのだろうか
つい先ごろまでは、野党の都議さんたちも本音では「6月の議会はうやむやにして、秋まで持ち越すのでは」と見ていたようですが、「事態は緊迫した局面」(時事通信)になってきましたね。
こうなると、いま辞めようが、9月に辞めようが、これだけ一億総フルボッコ状態になってしまうと、都知事を辞任した後にどうやって食べていくのか、そこの見通しが立たないことも粘っている理由かもしれませんが、現実的には、都知事を辞めてしまうと、もう国会議員に戻れるはずもなく、教員として雇ってくれるモノ好きな大学もないでしょう。ここまで世論を怒らせたあとなので、来年の夏あたり「しくじり先生」に出て、「あの時は、やってしまいました(汗)」というわけにもいかないでしょうしね。このままだと、日本社会で生きて行くこと自体、マジで大変なんじゃないでしょうか。
まあだから、朴大統領にでもお願いして、何年かほとぼりを覚ますのを待つのはいかがでしょうか。韓国はもともと脱北者を対象に「北朝鮮離脱住民の保護及び定着支援に関する法律」という法律があって、人道主義による特別な保護、健康で文化的な生活を営めるように支援策を講じております。舛添さんは脱北者ではありませんが、亡命者の受け入れが制度的に整っている国ですし、大統領府の高度な政治判断でなんとでもなるでしょう。
韓国に亡命したらVIP待遇?
いや、それどころかVIP待遇ですよ、政治的には。朴政権、あるいはその次の大統領が日本に強硬路線を取った場合、憎っくき日本の首都のトップだった人物を歓待しておくことだけで、これほど痛烈に日本に対し皮肉を込めた外交的メッセージはありません。同時に、今後とも自国の利益のために動いてくれる日本の政治家や論客に対して「骨は拾ってやるよ」というダイイングメッセージにもなるでしょう。
こちらはもちろん亡命者でありませんが、韓国では、今年4月に北京で客死された若宮啓文・元朝日新聞論説主幹・主筆が3年前、退社後に韓国の大学で教員として迎えられた「先例」がございます。みなさんご存知のように、朝日新聞で健筆を振るっておいでの折、日韓友好のために「いっそ竹島を譲って」と書いてしまうお茶目ぶりを発揮したわけですが、日本側からみると「売国」的な論調に見えても、韓国政府サイドからすれば天下の朝日紙面を使って日本の世論に波紋を広げた「大貢献者」ですからね。
舛添さんの場合、都民が納得するような大義もないのに、都民益よりも韓国学校を優先されてきたわけですから、韓国サイドから見たら、若宮さんに匹敵する「貢献者」として手厚く礼遇されるだけの資格はあるでしょう。ソウル大学校で国際政治専門の特別客員教授もあるでしょうし、女子大での教鞭を希望すれば梨花女子大学校でポストを用意してくれる贅沢すら受け入れてくれるかも。
世論の収拾つかないと怖い
ちなみに、総務委員会関連の報道で、猪瀬さんの「かばん」ショーがまた蒸し返されているのはお気の毒なわけですが、同じお金絡みのスキャンダルでも、猪瀬さんは公選法違反(収支報告書の虚偽記載)による略式起訴され法的な結果はアウトです。一方、舛添さんは、先日の横柄な記者会見対応で炎上したヤメ検弁護士も指摘するように、モラルはともかく政治資金規正法的には(いまのところ)セーフです。それでも猪瀬さんはメディアにも出始めていて、一方の舛添さんはこのフルボッコぶり。法的なロジックとは違うところにある、世論やメディアの「構造」がいかに厄介で、複雑かをあらためて感じます。
とまあ、ゴリゴリの右派論客みたいなこと書きましたけど、私としては舛添さんが非を全面的に潔く認めて、誠実に謝罪すれば、都知事を辞めた後に再び国際政治学者として再起動していただいても結構だと思いますよ。しかし現実には、此の期に及んでなお、都議会で不信任案が可決された場合の解散をちらつかせるとかの逆ギレ芸など見ていると、自分で自分をどんどん袋小路に追い込んでいるように見えるんですが。
伏して皆様にお願いしたいことがございます。それは、もし、私に対する不信任案が可決された場合は、私が辞任するか、議会を解散するという選択を迫られます。いずれにしましても選挙となります。その時期がどうしてもリオに重なります。(ハフィントンポストより)
お、おう。進むも地獄、退くも地獄の心境で破れかぶれなのやら。いずれにせよ、いまのところ舛添さんの視界の先はソウルではなく、リオのようです。ではでは。
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新田 哲史
アゴラ編集長/ソーシャルアナリスト
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