BREXIT回避なら、マーケットはどう動く?

安田 佐和子

いよいよ、泣いても笑ってもBREXITに決断の時がやって参りました。23日、英国で国民投票が行われます。

仮にイギリス国民がBREXITに選んだ場合、HSBCはポンドが対ドルで15%下落し、2017年の国内総生産(GDP)は従来予想から1〜1.5%ポイント押し下げられると限りなく暗い予想を展開していました。

投票用紙に書き込まれるのは、イエスかノーか。


(出所:Abi Begum/Flickr)

しかし、労働党のジョー・コックス英下院議員射殺事件という悲劇を経て、欧州連合(EU)残留支持派が再び盛り返しつつあります。ならば、BREXIT回避でマーケットはどう動くのでしょうか?ビジネス・インサイダーを頼りに、想定できるシナリオをおさらいしてみましょう。

・ポンド→UBSウェルス・マネジメントのビル・オニール氏はポンド高を予想、1.56ドルも視野に。

・株式市場→豪マッコーリーによると、個別銘柄ではバークレイズやライアンエアが勝ち組の筆頭に。モルガン・スタンレー(MS)はEUの株式指数の大幅高を予想、またMSはリスク資産の買いを見込む。

・金利→ドイツ銀行は安全資産である国債の利回りが急伸すると見込む半面、UBSのオニール氏は中銀がインフレ対策に注力すると判断。イングランド銀行が8月に公表するインフレ・レポートが利上げを見据える上で試金石になると指摘。

・政治→EU残留でも、欧州全体で巻き起こるナショナリズムが下火になるかは不透明。CLSAは僅差でのEU離脱回避ならば逆に右派を勢いづかせる可能性があるとし、10%ポイント差でなければ意味がないと分析する。

——ズラリと模範解答が並びましたね。筆者は、BREXITにノーの判断が下ったとしてもリスク・オン相場は限定的と見ています。米6月雇用統計は反動で増加の期待が掛かるものの、あまり良くても9月利上げの可能性をにらんで頭打ちになりかねません。イエレンFRB議長の妙にハト派寄りへ軸足を寄せた議会証言内容も、気掛かりです。米国の決算シーズンのほか、共和党や民主党の党大会も控えます。今年は特にトランプ候補の下で共和党が団結できるか疑問が残り、ブローカー・コンベンション観測が台頭してくる始末。民主党のクリントン候補の5月末時点での手持ち資金が4200万ドルに対しトランプ陣営は130万ドルという体たらくであり、英国での嵐が過ぎ去った後、今度は米国で波乱の夏が訪れかねません。

(カバー写真:Jim Killock/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年6月22日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。