中国の人民元基準値引き下げで甦る、2015年8月の悪夢

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中国人民銀行が、BREXITを受けて行動に出ています。

27日には、人民元の対ドルでの基準値を前週末比0.91%引き下げ、6.6375元に設定しました。2010年12月以来の元安水準となり、1日での下げ幅は2015年8月以来で最大です。

ここで思い出されるのが、天津で開催された世界経済フォーラムで李克強首相の発言です。同首相は、BREXITが「世界に新たな不確実性を加えた」との見解を表明。中国も無傷でいられず「経済には依然として大いなる下方圧力が残り、困難は計り知れない」と語っています。もちろん全面的に悲観方向へシフトしたわけではなく、6.5%に掲げる成長目標の達成は「適正な範囲にある」と言及するのも忘れません。通貨切り下げに否定的なコメントを寄せたことも、印象的でした。

その裏で、人民元の基準値を大幅に引き下げた格好です。

人民元の基準値引き下げに合わせ、ユーロとドルの変動金利を交換するベーシス・スワップが急低下するなど、リスク・オフ相場が鮮明となりました。

これまで、人民元とS&P500先物は比例関係にあり。

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(出所:Zerohedge

20ヵ国(G20)の杭州サミットを9月に控えるとはいえ、預金準備率の引き下げなど最終的に金融政策で対応する可能性が意識されます。BREXITを受けてイングランド銀行(BOE)が7月あるいは8月、もしくは両月で利下げに踏み切れば、人民銀行にとっても御の字でしょう。発火点は英国ながら、中国は2015年8月の悪夢を甦らせるのか。米中戦略経済対話(S&ED)後の中国動向は、やはり要注意です。

(カバー写真:Jason Mrachina/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年6月27日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。