全米で最も住みづらい街ランキング、1位はまさかの・・

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「アメリカに行きたいか〜?」とは、アメリカ横断ウルトラクイズの司会者で有名だった福留アナウンサーの言葉です。若い世代の方派ご存じないでしょうが、アメリカへの憧れが詰まった番組でした。

今ではすっかり身近になったアメリカ、一度は行かれたという方が多いのではないでしょうか。ただ、旅行と実際に居住するのとでは、雲泥の差ですよね。そこで、24/7 ウォールストリートがまとめた”全米で最も住みづらい街ランキング”をご紹介しましょう。驚くべきことに、人口6万5000人以上の全米550市のうちワースト50市で、世帯収入が全米中央値5万3657ドル(約550万円)を上回ったのは8市のみ。貧困率(世帯別の年収で線引きし、両親と18歳未満の子供2人の場合は2万4036ドル)に至っては、50市中のうち29市で25%を超え、全米平均の15.5%を上回っていました。なお、ランキングは所得、貧困率、犯罪率、雇用、住宅価格、教育普及率などがベース。全米の住宅価格中央値は、18万1200ドル(約1850万円)です。

10位 ゲーリー(インディアナ州)
人口:7万1180人
世帯年収中央値:2万7458ドル
住宅価格中央値:7万500ドル
貧困率:37.6%
大卒以上の割合:12.5%

9位 クリーブランド(オハイオ州)
人口:38万9524人
世帯年収中央値:2万6179ドル
住宅価格中央値:6万5900ドル
貧困率:39.2%
大卒以上の割合:15.1%

8位 フリント(ミシガン州)
人口:9万8990人
世帯年収中央値:2万4679ドル
住宅価格中央値:3万2300ドル
貧困率:40.1%
大卒以上の割合:12.5%

7位 メンフィス(テネシー州)
人口:65万6876人
世帯年収中央値:3万7099ドル
住宅価格中央値:9万1800ドル
貧困率:29.8%
大卒以上の割合:24.4%

6位 バーミンガム(アラバマ州)
人口:21万2653人
世帯年収中央値:3万1217ドル
住宅価格中央値:8万4800ドル
貧困率:30.5%
大卒以上の割合:23.9%

4大地域別では南部から2州、中西部から2州ランクインしました。オハイオ州クリーブランドは今年、NBAでマイアミ・ヒートから古巣へ復帰したレブロン・ジェームズが導きキャバリアーズが優勝したことは記憶に新しい。また同市では今年、民主党全国党大会の舞台としても知られます。

全米4地域は、以下の地図をご参照。
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(出所:CDC

5位 フォールリバー(マサチューセッツ州)
人口:8万8705人
世帯年収中央値:3万3763ドル
住宅価格中央値:23万600ドル
貧困率:22.8%
大卒以上の割合:13.1%

4位 ホーソーン(カリフォルニア州)
人口:8万7591人
世帯年収中央値:4万4384ドル
住宅価格中央値:42万7700ドル
貧困率:16.1%
大卒以上の割合:19.7%

3位 パターソン(ニュージャージー州)
人口:14万6746人
世帯年収中央値:3万3964ドル
住宅価格中央値:23万9300ドル
貧困率:30.7%
大卒以上の割合:10.8%

2位 デトロイト(ミシガン州)
人口:68万281人
世帯年収中央値:2万6095ドル
住宅価格中央値:4万1900ドル
貧困率:39.3%
大卒以上の割合:13.8%

南部が姿を消し、北東部が2州、西部が1州、中西部が1州という構成に変わっています。ホーソーンやフォール・リバーといい、カリフォルニア州やマサチューセッツ州などIT産業やバイオ関連が盛んな州の街が登場し、ワースト6〜10位と様相を異にしました。

2013年に債務不履行に陥ったデトロイトを押しのけ、不名誉な1位の座を射止めた街はどこかと申しますと・・。

1位 マイアミ(フロリダ州)
人口:43万341人
世帯年収中央値:3万858ドル
住宅価格中央値:24万5000ドル
貧困率:26.2%
大卒以上の割合:23.6%

夏のリゾート地で知られ、ウィル・スミスの同名タイトル曲でも有名なマイアミが、なぜワースト1位だったのでしょうか?答えは、世帯収入と住宅価格にあります。ご覧のように、到底庶民には手が届かない設定なんですよね。格差が激しいという特徴もあり、所得でトップ1%の年収は2000万ドルに及ぶ一方で残り99%の平均年収の45倍だといいます。

ちなみにワースト50市に含まれる大都市では、カリフォルニア州サンフランシスコが42位、ワシントンDCが46位、マサチューセッツ州ボストンが47位が並びました。

ランキングを見た後では、州別の成長率が気になりますよね?6月にリリースされた2015年10〜12月期GDPは、ご覧の通りです。

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(作成:BEAよりMy Big Apple NY)

下位はシェール関連をはじめ石油・天然ガスなど、エネルギー産業の比重が多い州で占められています。逆にトップは首都のワシントンDC、2015年に過去最高を更新した新車販売台数で恩恵を受けるインディアナ州が並びました。特にインディアナ州は製造業で知られつつ、トヨタやホンダ、スバルと日系自動車メーカー3社が進出する唯一の州としてお馴染みですよね。ニューヨークは金融市場が2015年8月に荒れた影響か、下から数えた方が早い42位でした。金融機関で勤務していた知り合いが別の職を求めて引っ越すはずです。成長なくして、雇用なし。豊かな生活を目指す上では次世代の産業を見据えたキャリア形成はもとより、住所選びが大切だということが分かります。

(カバー写真:b k/Flickr)


編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2016年7月1日の記事より転載させていただきました。快く転載を許可してくださった安田氏に感謝いたします。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。