今回の参院選から18歳と19歳にも選挙権が認められています。
7月10日に投票権がある若者の中には積極的に活動している人もいると思いますが、公職選挙法をはじめとする分かりにくい法律には頭を悩ませているのではないでしょうか。
まず、選挙運動ができるのは公示日から投票日前日までとなっていることに要注意です(投票日当日はできませんので気をつけましょう。)。
また、18歳未満の人は選挙運動を行うことができないこともしっかりと理解しておく必要があります。これは、7月10日に投票できる人であっても、誕生日の前日を迎えていなければ選挙運動してはいけないということです。
なぜ前日かというと、年齢の計算に関する法律との関係です(この法律との関係では、誕生日が1998年7月11日の人まで投票できることにも注意しましょう)。
さらに、選挙運動には、細かなルールがありいちいちそれを覚えるのも大変ですが、知らないでは済まされません。
(http://ameblo.jp/koutamatsuda/entry-11466792101.html )。
そして、最大の問題は、そもそも選挙運動とは何かということ。法律上の定義はなく、判例などから「特定の選挙について、特定の候補者の当選を目的として、投票を得又は得させるために直接又は間接に必要かつ有利な行為」とされています。
選挙運動には厳しい制限があるのに対し、それと似て非なる政治活動は原則として自由とされていますが、具体的にどのような行為が制限を受け、どのような行為が自由にできるのか判断がつきません。
そのため、何か新しい政治活動をしようとするときは、事前運動になるのではないかというリスクを負うことになります。
公職選挙法はこのように難解で曖昧なルールが多く、しかも違反に対しては罰則もありますので、せっかく政治に主体的にかかわっていきたいという若者がいても、だんだんと萎縮してしまうことになります。
国民参加型の政治を実現するためには、まず、このような分かりにくい法律を全面的に改正する必要があります。その際は、15歳までの義務教育課程の中で十分に制度全体を教えることができるように工夫すべきです(模擬投票も含めた政治参加教育の基本は義務教育で行うのが、民主主義国家としてあるべき姿ではないでしょうか)。
ルールを簡易かつ明確なものにすることが、若者だけでなく国民全体の選挙運動、ひいては政治参加を促します。
主権者が法律違反におびえなくてはならない現状を早く変えて、日本の民主主義を前進させなくてはなりません。
編集部より:この記事は、タリーズコーヒージャパン創業者、参議院議員の松田公太氏(日本を元気にする会)のオフィシャルブログ 2016年7月4日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は松田公太オフィシャルブログをご覧ください。