自民に代わる政党なし

大方の予想通り、今回の参院選は「改憲勢力、参院の3分の2超 与党で改選過半数」という結果に終わりました。自民党は「1人区で21勝11敗と圧勝した」、比例「得票数は参院選としては01年以来、15年ぶりに2000万票を超え(中略)、与党で比例票の約半数」獲得となりました。

他方、「期日前投票者数は1598万人で過去最多を更新し」たものの最終的な投票率は54.70%と「過去4番目の低水準」ということで、政治無関心・選挙無関心といった状況が相も変わらず続いているようです。

自民党執行部としては今回、このような圧勝劇を初期の段階では想定していなかったのではないかと思われます。衆参同時選挙にも一度は踏み切ろうとしたものの、「今やっても20、30(議席が)減ることは覚悟しなければいけない」(安倍晋三首相)ため、自公での衆院3分の2割れのリスクを考慮して止めたのだろうと思います。

消費増税を再延期したということもあって、麻生太郎副総理等は「信を問わなければ筋が通らぬ」等と「先送りするなら同日選とセットだ」と最後まで言われていましたが、結果から見れば之だけ躍進できるなら「セット」にしたら良かった、ということでしょう(笑)

1年前の4月『統一地方選後の雑感』でも指摘した通り、「自民に代わる政党なし」「自民は下野する必要なし」という判断が未だ働いていると考えられる中、今回も投票率が上がってこなかったということだろうと思います。

民進党以下の野党勢力が余りに御粗末であるが故、「投票に行かなくても結果は分かっているし…」といった類の意識が働き、「自らの一票を必ず行使しなければ!」とした投票行動に結び付かないのが現況ではないかと思います。

現下の議会勢力バランスが齎されるは必ずしも自民党の圧倒的な実力ではなく、相対比較において仕方なしというふうに感じている多くの有権者による、消極的な評価に基づいた結果と言えましょう。

当ブログでも一貫して申し上げている通り、自民党と真っ向から対立できるような二大政党制の一翼となる次の新勢力を再編成するは、少なくとも岡田・枝野体制では到底無理だと確信しています。

民進党の岡田克也代表ご自身が今回得られた「手応え」とは裏腹に、「岡田執行部では伸びしろがない。次期代表選では全面刷新だ」といったも多々聞かれますし、私もそう思います。

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