講演中の山口朋子氏
「給料が厳しい」「子供の塾代が足りない」「家族旅行に行きたい」と、副業を考えている人が最近増加傾向にあるそうだ。エン・ジャパンが公表した「ダブルワーク意識調査」(2016年2月)によれば、経験者は57%で過去最高を記録している。
『忙しい主婦でもできる! スマホで月8万円を得る方法』(学研プラス)の著者であり、主婦のためのネット塾を運営する山口朋子氏(以下、山口)は副業事情について次のように述べている。
「最近、主婦の副業希望者が増えています。主婦は自分が贅沢をしたり、ブランド物のバッグが欲しいとか、いい車に乗りたいとかの理由ではありません。子供の塾代や習い事、家族のためにお金が欲しいという方が多いのです。」
●主婦が副業を成功させるには
――家庭の仕事に多忙な主婦が、実際に副業を始めるにはいくつかのルールが存在するはずだ。まず、それは、副業の選び方にあると考えられる。お金がすべてではなく、本人の志向とのマッチングが大切ではないかと思う。
「インターネットがここまで身近になるまでには、主婦が収入を得ようと思ったら、内職をするとかパートに出るくらいしか方法がありませんでした。いまは、パソコンがある家庭も多いことでしょう。1人1台のスマホやケータイを持つ時代になりました。それらを使うことで副業の選択肢が増えたのです。」(山口)
――多くの人は「スマホで月8万円を得る」というキーワードに関心を持つことだろう。実際、この類のビジネス書には「何もしなくても稼げる」「楽に売れる」「秒速で稼ぐ」といった荒唐無稽の内容やタイトルで釣るものが多い。しかし本書のポイントは具体例が豊富な点にある。
そして、当たり前のことだが楽して8万円稼げるとは書いていない。「楽をせずに着実に頑張れば月8万円を得る」という主旨に近い。また、山口が、指導をして成功した事例が豊富に掲載されている。運用時におけるポイントも親切に書かれてあるので、失敗なく取りかかることが可能である。
山口は、リクルートやOL経験を経たのちに、独学でホームページ制作を学びインターネットビジネスを始めている。事実、この勝負勘は非常に興味深いものであり、経験者のメッセージとして学ぶべき要素は多い。
●主婦が遣り甲斐を見つけると
――本書で紹介されている事例では、普通の主婦が正しい方法で、すきま時間を使って月に8万円を稼いでいる。素晴らしいノウハウでも、手間がかかるものであれば主婦には向かない。しかし、本書で紹介されている手法は、スマホ、タブレットを利用した方法である。
「今では自宅にいながらにして収入を得る方法がたくさんあります。子供の成長に合わせて、無理なく、自分の欲しい金額を得ることができるようになったのは、喜ばしいことだと思います。」(山口)
--さらに、主婦が副業を通じて、遣り甲斐を見つけることの効果を、山口は次のように称している。
「核家族・少子化の今は、住居の問題もあって日中は母子だけの家庭も少なくありません。そんな孤独になりがちな育児の中で、主婦がストレスを抱え込むと、子供に向かってしまうように思います。だからこそ、育児中でも自分の世界を持ち、好きなことをする時間が必要なのです。」(山口)
「副業で得たお金は、子供の習い事、家族で美味しいものを食べに行ったり、趣味に使うなど自由です。それだけで主婦の世界は広がるでしょうし、笑顔が増えると思うのです。そうしたら子供もイキイキとしてくるに違いありません。」(同)
月8万円であれば、年間100万円弱の収入になるが住民税は掛からない。いわゆる最も節税効果の高いゾーンであり、夫の扶養からも外れることがない。副業を検討している人にとっては参考になることだろう。
尾藤克之
コラムニスト
PS
7月26日開催の「第2回著者発掘セミナー」は好評のうちに終了しました。多数のご参加有難うございました。なお、次回以降の関連セミナーは8月末頃に公開する予定です。