アメリカではトランプ夫人がモデル時代に撮ったセクシー写真が雑誌に公開されて、大統領夫人としての品格に疑問を呈されている。もちろん、本人のことでもなく、それでトランプが大統領候補失格になるわけでもないが、きちんと議論され判断材料とされている。
一方、日本では蓮舫さんのタレント時代のセクシー写真が出回っているし、「ヌード・モデルを首相にする気か」といった野次馬的な取り上げられ方もされているが,それが宰相の品格に影響するものか真摯な議論はされていない。
そんなのは、真面目な議論の場で取り上げるべきでないという人もいようが、私はそうでないと思う。なぜなら、もし、蓮舫さんが首相になったら、世界中で写真が拡散されて、日本のイメージに影響すること間違いないからだ。
蓮舫さんは、青山学院大学在学中に、カーオーディオメーカー・クラリオンのキャンペーンガールとして華々しく芸能界デビューした。初代のアグネスラム以来、セクシーな魅力を強調した水着カレンダーで大人気だった。
そして、その後、男性向け雑誌のグラビアなどで人気を博していたのだが、そのなかには、健康なイメージとは言いがたいセクシーで煽情的なポーズのものがあったのも多い。なかには、いわゆるセミヌード写真のジャンルに入るものもある。
日本の男性向け週刊誌のグラビアは世界でも独特のものなのである。航空会社が週刊現代や週刊ポストの機内での配布をやめたときには、国際的にはポルノ系に近い印象だといわれたこともあった。蓮舫さんのグラビア写真もそういうジャンルのものだ。
芸能人の水着写真は普通だが、通常セクシーな要素を強調しないし、ヌードにしても、文芸的な映画のなかでとか、芸術性の高い写真なら、世界の人が見たとき、納得する人もいるだろう。
フランスのサルコジ前大統領の夫人であるカーラ・ブルーニは有名モデルだが、そういう写真を過去に撮らせていて話題になったことがある(それでも大統領夫人としてふさわしくないという人もいた)。
しかし、蓮舫さんのグラビア写真はそういう類いのものでなく、若い男の子がセクシーさを求めて買うものだった。
残念ながら、世界的に、とくに、アジアでは、日本人はふしだらだというイメージはかなり強い。慰安婦問題もそういうイメージが妄想を増幅させたし、女子高校生や大学生の援交経験率が13%とか30%とかだという国連専門家の報告があったり、アダルト・ビデオに若い女性のかなり大きい割合が出演経験があるとかいう無茶苦茶な噂がまき散らされていけっこう信じられている。
そういうものと、蓮舫さんの過去の写真がイメージとして結びつけられることは、当然に予想されるであろうし、首相候補として民進党が担ぎ上げて戦う候補としてふさわしいものであるか、立ち止まって考えた方がよい。
また、蓮舫氏も事情を説明して、共感を得る努力をすべきである。幼稚園から大学まで青山学院で学んだ、金持ちのお嬢様がお金に困ってとか、騙されてと言うはずはないと思うが。
本人についてのスキャンダルについては、かつて彼女が閣僚を辞めたとき、なんと中国の人民日報国際版である環球時報は、「不倫などのスキャンダルに巻き込まれた中華系の蓮舫大臣は、13日の閣議後に退任の意を表明した」と報じた。
だが、日本の進歩的なマスコミは、宇野宗佑首相の過去の女性問題は、サンデー毎日鳥越俊太郎編集長を先頭に、ねちっこく国際的な日本人の恥と言わんばかりに報道したが、左派の女性政治家、しかも大好きな中国系の人物相手にはそういう取り上げ方を絶対にしないが、国際的は大きな関心をもって取り上げられるだろう。
このほか、蓮舫氏の祖母が絡んだバナナ輸入利権のスキャンダルとか、蓮舫氏の母親が経営している新宿のスナックのことなど、本人のことでないとはいえ、宰相候補ともなれば、その周辺状況として適切なのか精査されるべきだ。水商売だから問題にするのはおかしいという人もいるが、日本一の小売業でも,工務店でも、親の政治家としての仕事でも同じように関心が持たれるのは当然だろう。
アメリカ大統領選挙では候補や兄弟、夫人、子供の仕事は大きな話題になる。韓国では大統領の家族は任期終了後にひんぱんに逮捕までされる。ところが、日本では情報開示や議論すらタブー視されているがはきりいっておかしい。
日本でだけ、政治家の係累が大きな経済的メリットを受けてないわけでないし、政治資金が献金だと問題にされるが、自分や家族のビジネスで設けた金やビジネス上の影響力にまかせて政治活動をしても、その事業が問題にされないのはまことに非常識なのである。
それが、まして、国際的な広がりをもつとすれば、看過できない問題であって、そういうことも含めて、すでに公知の事実として明らかになっていることくらい、 チェックしたうえで、責任持てるというなら代表に選べばいいのである。
※編集部より 画像出典;「Ren H ̄o―蓮舫写真集」(ワニブックス、88年刊)