安倍首相が掲げた「女性が輝く日本」。どちらかというと輝いたのは安倍首相の周辺で取り囲まれてしまったのではないでしょうか?都知事に小池百合子氏が当選したのが想定外。そこで丸川珠代氏を五輪相に起用しましたが、小池さんの抑えにはならず、むしろ相乗効果でしょうか?むしろ注目されたのが稲田朋美氏でしょうか?防衛大臣に起用したのは強い性格で男子顔負けというだからかもしれません。尖閣問題もこれで抑え込めれば大したものです。
さて、次に現れたのが蓮舫氏。民進党の党首に余裕で選ばれました。二重国籍問題で一部から相当声が上がっていましたが民進党にほかに対抗馬がいないのがありありとわかる結果となってしまいました。岡田代表を「つまらない男」と言わせたのは冗談半分、本気半分でしょう。個人的には蓮舫氏は安倍首相にとって面倒な相手になると思っています。というのは戦略がかつての民主党のような男世界相手ではなく、女性の論理的思考で非常に細かくパシッと攻めるところに今までとは違うタイプに見えるからです。
例えば小池百合子氏も同様の傾向が見えるのですが、ポイントを攻めぬき、妥協しない論理でかつ民意が納得するまで手を緩めないところはすでに見ての通りです。豊洲移転推進派もあれだけロジカルに攻められるとグーの音も出なくなると思います。都議会も相当荒れ、まだまだびっくりすることが起きるとみています。
私が思うのは日本の大転換であります。男性中心社会として今日まで進んできたのですが、近年に入り男性が草食化、女性が肉食化しているとも言われています。男性社会であちらこちらから歪が生まれてきた中で男性崩壊しているようなところもあります。
例えば男は自分の狭い世界に入り込みやすく、全体像の中の自分が見えなくなることがしばしば起きています。日本の自殺者の男女比を見ると概ね男2で女1の割合です。自殺だけではなく、ストレスをためてドラッグから暴力、殺人など社会事件を起こすのも男性が多いのですが、これは男性社会に於ける分母比率もありますが、生理学的な男の弱さは否定できないでしょう。
会社で部下が「何でこんなことしなくてはいけないのですか?」と食って掛かれば男性上司なら「会社が決めたことだからしょうがないだろう」で済ませます。言われた男性部下も渋々引き下がるのはこの会話が男と男の阿吽の呼吸という特殊なコミュニケーションであるからです。
阿吽の呼吸は何処で培われたかといえば会社と共に汗を流し、仕事が終わればビールで反省会を開くその積み上げと価値観の共有ではないでしょうか?
これが男と女の会話になるとそうはいきません。「会社が決めたって、どう決めたんですか!説明になっていません!」と言われるのがオチでしょう。女性の場合正義感と納得できる説明に強くこだわる傾向があります。そして初めに「良い人」「悪い人」の色付けをする傾向があり、いったん色がつくとその色がなかなか変わらないのも特徴です。
男の場合には掴みかからんばかりの口論でもすればすっきりするものですが、女性目線は本質を変えなくては評価が変わらないところに特徴があります。
では外国の女性指導者や経営者はどうか、と言えば生理的な特徴は近いものがありますが、白人の女性は一般に「男が入っている」人が多いようです。つまりどっちが男でどっちが女かわからないぐらいしっかりしています。海外の芸能人をみるとフェミニンな人が多そうですが、あれはビジネスの顔。実社会、つまり、社会人や家庭の女性の自立力の強さは日本とは圧倒的に差があります。白人社会で離婚が多いのも対等の関係でぶつかり合う結果だろうと察しております。
日本もじわじわとこのような社会が具現化していくとみています。時間はかかりますが、あと10年もすれば専業主婦という言葉は消えると予想しています。
では私の懸念は何処にあるかと言えば男が弱すぎる、ということです。このままでは男衰退の時代となってしまいます。masculist(男権主義者)という言葉はほとんど使われないと思いますが、そのうち、意味ある言葉になるような気がします。近いうちにあの上野千鶴子教授とお会いするので聞いてみることにします。
では今日はこのぐらいで。
岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人 9月18日付より