まあ、石原さんのヒヤリングは非公開にしてあげては如何

早川 忠孝

公開裁判はしばしばリンチみたいになってしまうので、何が何でも公開の場で行わなければならないというわけではない。

石原元都知事に対するヒヤリングは不可欠だと思うが、ご本人が公開の場でヒヤリングを受けることに抵抗感がある、ということであれば、然るべく配慮されたらいいだろう。

ご本人が嫌だと言っているのにそれでも公開の場に引き摺り出すためにはそれなりの法的根拠が必要になる。
知事には過去の不祥事や都政に関する不審な出来事について一定の調査をする権限があるだろうが、犯罪捜査や税務上の犯則行為の調査のように強制的に捜査ないし調査をする権限まで付与されているわけではないから、ご本人の同意が得られないのであれば、どうしても任意の調査にならざるを得ない。

これに対し都議会には100条調査権というとっておきの権限があるが、現在の都議会が100条委員会を立ち上げるほどに一連の豊洲市場問題に強い関心を持っているかどうか分からないので、歴代知事に対するヒヤリングは今のところ中途半端にならざるを得ない。

水に落ちた犬を叩くようなことはしない方がいい。

そこまでしなくても、ある程度、真実は現れるはずである。
しばらくは、週刊誌の皆さんにお任せしておいたらいい。

小池さんは、多分、そうするはずである。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月5日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像はテレビ朝日より編集部で引用)。転載を快諾いただいた早川氏に御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。