2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催経費を出来るだけ縮減していくための見直し作業が本格的に始まりそうだ。
こういうことには利害関係者が多くて、一旦決めたことはなかなか変えられないものだが、小池さんが都知事に就任して大きな流れの変化が生まれ、短期間に、大方の国民が納得できるような目に見える成果が得られるのだったら実に結構なことである。
有識者の方々から開催会場の見直しの提案が出され、森さんはじめ関係団体の方々からそんな見直しなど不可能だと言わんばかりの反応が返ってきている。
総理大臣の経験者であり、日本体育協会の会長なども務めて、対ロシア外交などではなくてはならない存在である森さんがその先頭に立っているようなので、小池さんもずいぶんやり難いだろうが、それでも一切怯むことなく、何はともあれ、一旦立ち止まって検討しましょう、ぐらいなことを小池さんが言われているのはいいことである。
何を決めるにしても、全員が同意する、などということは滅多になく、最終的には多数決で決めざるを得ないようなところもあるが、開催会場の変更問題については大方の同意があれば可能だろうと思っている。
すべての人が同意するなどということはとても期待できないだろうが、国民の7割から8割の人がそれがいい、と思ってくれるような案を考え出すことである。
すべての人の同意を求めるのが難しいのと同じように、すべてのことがプラスで、マイナスなど一つもない、などということもない。
プラスもあればマイナスもある、というのが普通のことで、マイナスは出来るだけ小さく、プラスは出来るだけ大きくするというのが、現実の政治だろうと思っている。
2020年東京オリンピックのボート・カヌー競技の開催会場の変更の可否を決定するに際して重要なのは、現在予定されている会場にはどの程度のプラス材料とマイナス材料があるか、会場を変更するとして代替できるような会場がどこかにあるか、ということだろう。
代替会場の提案がないのに開催会場の変更など出来ないのは当然のことで、適当な代替会場がないのであれば、費用が嵩んでも現在のプランで進めて行かざるを得ない。
何にしても現地を見なければ何とも言えないことは間違いない。
小池さんは15日に宮城県を訪問して現地を見て来られるそうである。
忙しいのにも関わらず、仕事の優先度や重要度を見極めながらよくあちこちに行かれるものだ、と感心するが、大事なことを決める時はこのくらいに熱心になってもらう必要がある。
美術館巡りも別荘での静養もしないで、ひたむきに公務に取り組まれているその姿は、見事なものである。
しかし、宮城での開催は少々無理筋かも知れない。
私のブログの読者の方が、次のようなコメントを書いておられた。
以下、コメントの引用:
「当たり前ですが、宮城県も頑張っていますけど、色々無視されているところがあります。
・仮設住宅を提供と言うが、選手村は住むだけの場所ではない。食事、トレーニング、娯楽等の場の提案がない。
・これらは終了後はおそらくは取り壊されるので登米市や宮城県はどうするんだ?
・オリンピック後はインターハイの恒久開催と言いますが、ブロック持ち回りで、ボートだけ永久に宮城県でやるというのは無理がある。
・客を無視している。明らかに不便な場所で、最寄り駅が1時間に1本では・・県は仙台までシャトルバスを準備できるのか?
・仙台ではサッカーも想定され、明らかに宿が足りないと思われます。国際大会の実績のある長良川ならともかく、なんで長沼がメディアに最有力候補的に取り上げられるのだろう・・。
どう考えても本命は彩湖だと思いますけど。」
なるほど。
そうかも知れないな、というご意見である。
私が言えば、自分の元々の選挙区への我田引水じゃないか、と言われてしまうところだろうが、埼玉県でもっとも東京に近接した和光と戸田を両岸にする荒川流域の「彩湖」は、私の目から見てもいい会場のように見える。
「競技者たちに最高の場所できょうぎさせてやりたい。
それこそが日本ボート・カヌー界の願いであり、国内外に向けて日本ができる『最高のおもてなし』だと思います。」
そう、戸田監督会世話人代表の方等が呼び掛けておられることを知った。
本命がどこかは知らないが、関係者の皆さんでよく検討されることである。
彩湖は、サイコー。
あえて、そう叫んでおく。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月9日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた早川氏に御礼申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。