二重国籍の問題については、特別永住者の制度化など戦後の経緯もありタブー視されてきた面が少なからずあると存じますが、私は、これを機に、そうしたタブーを乗り越え、それぞれの個人が自らのルーツを大切にし誇りに思い、そして法に則って生きていける、そうした社会を作っていきたいと考えています。
そうした観点から気になるのは、小野田紀美氏と村田蓮舫氏のケースを同一視し、あいまいな形で幕引きをしようとする自民党の動きです。すでに書いたように、両者は月とスッポンみたいに似て非なるものですが、私がなぜ小野田氏のケースを擁護しセーフとするのか、自民党の皆様にもご理解をいただきたい。
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1.国会議員に係る外国籍離脱義務
先般、日本維新の会が提出した公職選挙法改正案は、2つの部分から構成されています。第一は、国会議員の二重国籍禁止です。あくまでも国会議員。国家公務員法改正案は追って提出しますが、地方議員や自治体の職員については別途検討。あくまでも国家権力に携わる者に厳格なルールが必要との立場です。
私が蓮舫氏はアウト、小野田氏はセーフというと、小野田氏だって国籍法14条に違反していた、との指摘を受けます。しかし、それは国会議員を志す前です。もちろん区議会議員ではありましたが、地方議員については別途検討、というのが私たちの立場です。将来はともかく、直ちに、は不可能だからです。
一方の蓮舫氏は、国政選挙を3回戦い、国務大臣を歴任し、菅総理の総理大臣補佐官まで務めています。国家機密を外国に横流ししたんじゃないか、といった疑惑を払しょくするには、国籍法14条に規定する国籍選択の宣言をいつ行ったのか、国会議員になった2004年の前か後か明確にする必要があります。
2.国会議員の国籍得喪履歴の公表
蓮舫氏については、国籍選択の宣言をいつ行ったのか、国会議員になった2004年の前か後か明確にする必要がある、と書きました。まさに国籍の問題は、現在どうか、に止まらず、過去どうだったか、が大事。仮に外国籍離脱義務を制度化できなくても、国籍得喪履歴の公表だけでも実現させねばなりません。
その点、小野田氏は完璧です。戸籍謄本の写しを公表し、参院選に臨む前=昨年10月1日に日本国籍の選択宣言をしていることを証拠書類をもって国民に示しました。もちろん10年余り国籍選択義務を果たしていなかったわけですが、その是非は有権者が判断すればいい、というのが維新の法案の立場です。
一方の蓮舫氏は今月6日の記者会見で、日本国籍の選択を宣言した日が明記されているはずの自らの戸籍について「極めて私の個人的な戸籍の件に関しては、みなさまの前で話をしようとは思っていない」と拒否しました。与謝野馨氏のように「人間失格」とは言いませんが「国会議員失格」「日本人失格」です。
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私たち日本維新の会は法治主義です。国益にとって問題がある制度を見つければ、自ら率先して実践するのみならず、法律案を起草し、その実現に努めます。台湾積を残しつつ帰化したと嘘ついてきた蓮舫氏、唯一の証拠書類開示を拒否する蓮舫氏、公正を求める声を差別と非難する蓮舫氏、「悲しい」限りです。
編集部より:この記事は、衆議院議員・足立康史氏の公式ブログ 2016年10月10日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は民進党サイトより)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は足立氏のブログをご覧ください。