小池さんの一声には200億円の価値がある

早川 忠孝
小池バッハ

IOCバッハ会長らとの会談に臨んだ小池知事(小池氏のツイッターより引用:編集部)

ツボを心得ている人が発する声は、場とタイミングを間違えなければ絶大な力を発揮する。

小池さんは、見直す、と言っただけだと思うが、小池さんのその一声で流れが大きく変わった。
ボート・カヌー競技の開催会場に韓国の話が出てくるくらいに大きく変わった。

宮城県の村井知事はもとより、岩手県の知事まで前のめりになってきたというのだから、もはや東京都だけで決められるようなちっぽけな話ではなくなった。

報道では、これまでそれほど乗り気でなかったような印象の埼玉県知事まで積極的に動き始めたようだから、大変な変わりようである。

皆さん、それぞれに知恵と力のある方だろうから、きっと大方の国民がポンと膝を打つような素晴らしい提案をしてくれるはずだ。

どちらかと言うとマイナスのイメージが広がり始めた2020年東京オリンピック・パラリンピックだったが、知恵のある方々が互いに競い合うようになれば、大方の国民が誇りに思えるようなオリンピック・パラリンピックが実現できるようになるかも知れない。

小池さん、やるじゃない、というところである。

さて、小池さんの一言にはどれだけの価値があるだろうか。
何にでも値段を付けたがるのは凡人である私たちの悪い癖だが、私の見るところ、小池さんの一言には少なくとも200億円の価値がある。

いや、俺の声の方が価値がある、大きくて、しかも影響力がある、などと宣う人が出てくるかも知れないが、私の見るところ、この方の場合は小池さんとは真反対の方向に力が働いてしまう。

小池さんが見直しの一声を発しただけで、海の森水上競技場でボート・カヌー競技を開催する場合の会場整備費用の見積もりが500億円台から一挙に300億円台にまで下がったようだ。

声だけ矢鱈と大きく、影響力もそれなりに大きそうな方の場合は、500億円が1000億円になっても、仕方がないじゃないか、それがオリンピックというものだ、となってしまったかも知れない。

このことは、いずれ改めて書いた方がいいと思うが、まずは小池さんの一声には少なくとも200億円の価値がある、ということが実証されたことは確認しておこう。

最終的にどう決着するのか分からないが、ここはワクワクしながら今後の展開を見ておけばいいのだろう。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2016年10月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。