視察の三日目は上越市市民プラザへ。
この施設は2001年に設立されましたが、PFIプライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)法が施行されてから3か月で募集要項を公表するなど、前例がほとんどない環境で全国に先駆けてPFIを導入されています。
PFIとは、民間の資金やノウハウを活用し、コストを削減しながら公共サービスの質を高めようとする手法です。
本社が新宿区にある熊谷組とビルメンテナンスを行う日本管財の二社で上越市とPFIの契約を結び、株式会社上越シビックサービスを設立しました。
オリックスからプロジェクトファイナンスを実施し、返済期間20年で9億1千万円の融資を実施しました。
大型ショッピングセンタージャスコが移店したことで遊休施設となったところ、建物を上越市へ寄付することが決まりました。
この資源を有効に活用すべく、建物をコンバージョンして上越市市民プラザが設立されました。
上越市市民プラザは、多機能型複合施設です。
市民活動を支援するためにホール、多目的室、会議室、調理室、音楽室、また行政の事業としてこどもセンターやNPOボランティアセンター、男女共同参画推進センター、国際交流センターなどの機能があります。
こうした行政サービスは、指定管理者制度で運営されています。
また、民間からは、カフェ、シニア向けパソコン教室、ビューティーサロン、雑貨店などのテナントが入居していました。
質問をさせていただく機会があったので、株式会社上越シビックサービスの売上についてお尋ねしたところ、2億円ほどとのことでした。
指定管理者制度などにより売上の多くは公費ですが、施設の利用料などで2500万の収入、またテナントでおよそ1000万円ほどの収入を生み出しています。
2004年中越地震、2007年中越沖地震、2011長野県北部地震などの震災により施設がダメージを受けることもありました。
しかし、税金を用いることなく民間負担額内で対応しています。
その他必要な修繕は中長期修繕業務にて対応することになります。
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本来は市民の手で解決できない問題を、合意の上で納税し行政が事業を行うことになっています。
年間の半分近くは税を支払うために働き、生活のほとんどすべての場面では行政が介入しているような状況です。
PFIやPPPの話になると、民間が行政の仕事を行うなんて信用できないというご意見もあります。
しかし、本来は税金で事業を行うことの方が例外であり、民間の資金やノウハウで事業を行うことがあるべき姿だったはずです。
新宿区ではPFIの事例がありませんが、これから民間主導のまちづくりを推進することが求められます。
それでは本日はこの辺で。