第一印象は「良い」「悪い」ではなく「やばい」が最高

最近、院生時代の同期や、教え子から「最初は、ヤバイ人だと思った」という声を頂き。驚いた。いや、でも、これって大事で。第一印象が良い人はだんだん化けの皮が剥がれていく。第一印象が悪い人は、挽回するのが大変だ。しかし、第一印象が「ヤバイ」というのは、何かこう、超越していて、ルールを変えているという感じがするのだ。

院生の超絶美人同期によると、最初のガイダンスのときに、大学当局に噛み付いていた様子が印象的だったとのことで。すっかり忘れていたのだが、少なくとも2012年の頃、一橋大学の大学院は入学時の書類に本籍を書く欄があり。責任者風の先生に皆の前で「なぜ、本籍を書かせるのか」「人権に対する配慮はあるのか」「他大は廃止している。どういう考えなのだ」などと詰問したのだった。一橋×人権ということについては、言いたいことがいっぱいあるが、その様子を見て同期は「この人と友達にならなくちゃ」と思ったそうだ。

昨日、教え子たちに聞いたのだが、彼らは入学前のガイダンスでも、入学式でも、私のことを保護者と一緒に「ヤバイ人がいる」と話題にしていたようで。私は、壇上に上がる時に「ここは新日本プロレスの東京ドーム大会や、G1クライマックスの記者会見なんだ」と思うクセがある。あるいは、青木真也選手の入場シーンのように。人を殺すのではないかという緊張感を大事にしている。思わず、胸を突き出し、眼光を鋭くしてしまっていたようで。先日の来年度入学者のガイダンスでもそれをやってしまっていたようで、たまたまお手伝いなどで会場にいた現役学生は失笑していたらしい。

いや、学生に対してもそうだが、とにかく人になめられたくないので、肉体改造と、茶髪度アップ、日焼けには取り組んでいたし、服を買う時にも迷ったらカタギが着ない方を選ぶことにしてきた。その成果が出ているということか。

第一印象が「ヤバイ」と色々、楽だ。なんせ、なめられないし。いかにもな意識高い系は第一印象をよくすることをマニュアル的にやっているが、気持ちわるいし。一対多のコミュニケーションだけが得意なネット上で目立っている人にありがちだ。まあ、たいていの人って第一印象が良いも悪いもなくて、無難なんだよね。

とにかくなめられないように、自分を鍛えること、振り切ること、これが大事。というわけで、ラオウのように、闘気をまとうべく、今日も頑張りますかね。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2016年12月13日の記事を転載させていただきました。転載を快諾いただいた常見氏に心より感謝申し上げます。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。