「とにかくはじめてしまう」のは「やらない後悔」したくないから

安達裕哉さんの「とにかく始めてしまう人、は何がちがうのか。」というブログ記事を読みました。「したい人、10000人。 始める人、100人。 続ける人、1人。」と言われる中で、はじめる人にはどんな違いがあるかを考察した記事です。

とにかくはじめる人には次のような5つの「考え方」の違いがあると指摘しています。
1.結果指向ではなく、プロセス指向
2.備えるのではなく、対応する
3.局所的ではなく、大局的に考える
4.知識でなく、経験重視
5.リスクは回避すべきものではなく、計量してコントロールすべきもの

私自身もカテゴリーとしては「とにかくはじめてしまう人」に入っていると自覚していますので、この5つの指摘には納得できます。しかし、なぜとにかくやってみようと思うかの1番の根源にあるものは、私の場合「やらないで後悔する人生を送りたくない」ということに集約されます。

とにかく、やって失敗するよりもやらないで後から後悔するのが嫌なのです。そのことを明確に意識したのは、マネックスへの転職に悩んでいる時でした。

当時は30代半ばで外資系の金融機関で、ファンドマネージャーとしてやりがいのある会社生活をしていました。そんな中、大学の同級生が設立した社員4人、売上ゼロの会社にジョインしないかと誘われました。それが設立直後のマネックスです。年収は半分、仕事は激務で、労働環境は劣悪、しかも将来の保証はありません。せっかく充実した仕事をしているのに敢えてそれを捨てる必要があるのか。とにかくはじめてみようと覚悟を決める決め手になったのは「やらないで後悔したくない」でした。

ベンチャー企業でのチャレンジというチャンスが目の前にある。それを今、自分から掴みにいかなければ、10年後、20年後にやっておけばよかったと思うかもしれない。そう考えると居ても立っても居られない気持ちになり、会社に退職を申し出てしまったのです。幸いマネックスでの13年で貴重な経験を積むことができました。

それ以来、何かをやろうややるまいか悩んだ時はいつも「やらないで後から後悔しないか?」と自問するようにしています。

このような考え方で判断をしていると、成功することもありますが、失敗も多くなります。自分勝手なふるまいで、周囲の人に迷惑をかけることもありました。だから何でも自分のことだけ考えて勝手にやれば良いという訳ではないこともわかってきました。

とは言え、過去を振り返って後悔するより、これから自分で決められる未来をどうするかにできるだけ時間を使う。そんな基本は忘れないようにしたいと思っています。

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※内藤忍、及び株式会社資産デザイン研究所をはじめとする関連会社は、国内外の不動産、実物資産のご紹介、資産配分などの投資アドバイスは行いますが、金融商品の個別銘柄の勧誘・推奨などの投資助言行為は一切行っておりません。また投資の最終判断はご自身の責任でお願いいたします。


編集部より:このブログは「内藤忍の公式ブログ」2016年12月18日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。