蓮舫氏に提言:民進党はこうしたら政権復帰できる(アゴラ向け増補版)

八幡 和郎

「夕刊フジ」の12月20日号で「回顧2016 左傾化進めば民進党は「万年野党」 評論家・八幡和郎氏「過去の発言『ブーメラン蓮舫』などと笑いものにされ…」 というコラムを書いたところたいへん好評をいただいた。内容は電子版に転載されている(こちら)。ただ、限られたスペースだったので、あらためて、同趣旨だが、大幅に加筆して提供しておきたい。

蓮舫氏は、民進党代表となったものの、夕刊フジと、ネット・メディア「アゴラ」を舞台とした「二重国籍」問題追及の結果として、人気は低迷し、民進党は党勢回復のきっかけをつかめていない。

私は、アンチ民進党ではない。二大政党のひとつとして民進党という枠組みは、その一翼を担うに合理的な出発点をもっていたから、その成長を望んでいた。

そのあたりの経緯は、アゴラの新田哲史編集長の「蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? – 初の女性首相候補、ネット世論で分かれた明暗- 」(ワニブックスPLUS新書)にも書かれているし、さらに、木曜日には、12月22日には拙著『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)が発売になります。

ただ、代表候補として、尖閣問題への曖昧な態度など日本国民としての忠誠度や日本文化への愛着のなさに問題がある上に、二重国籍の疑いがある蓮舫氏では問題があると考え、党内で事実関係をしっかり調べて、二重国籍だとかそうだったことがあるなら、少なくとも今回は選出を見送ってほしかったのだ。

だが、同党主流派は、問題を勘違いによる手続きミスと矮小化し、あるいは「何が悪い」と突っ走ってしまった。その結果が、今日の体たらくだ。

8月29日発行の夕刊フジで、私は「“蓮舫代表”は適格か」と問題提起し、6日には、父親が手続きを忘れていた可能性があるとせざるを得ない状況に追い込み、同月13日には二重国籍だったことを認めさせた。

しかし、自民党1年生議員ですら行った戸籍の開示を蓮舫氏は拒否している。果たして、本当に二重国籍が解消されたのかすら、真相は明らかになっていない。

そのあたりは、新著『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)にまとめた。

旧民主党は、斬新なビジョンを打ち出して政権をとった。たしかに魅力的なマニフェストだった。だが、旧来型の左翼の軛から自由になれず、財源の裏打ちがなく政策を打ち出し、実務能力も欠如していた。成果を上げられず3年で下野した。細川政権も含めれば、二度にわたって失敗したのだ(さらに自社さ政権には現在の幹部のかなりが参加していたし、小沢一郎氏の旧自由党は小渕政権の与党だった)。

だから自民党に代わって政権をとること自体はなんら清新さはないのであって、今は政権を奪取するよりも、政権についたら成功できるように準備することが大事なのだ。

すでに2009年と2012年の総選挙では、衆議院で3分の2をもつ巨大与党が逆転され逆に3分の2を野党が獲得したから、難しいことではない。ただ、安倍政権がこれまでの政権と違うことは、2度の総選挙と2度の参議院選挙で4連勝したことだ。

民進党はどうすれば、逆転勝利するだけでなく、少なくとも二期、勝利を収められることを目標として欲しい。
ところが、民進党は最近、旧社会党的に左傾化している。これでは批判勢力として一定の勢力を持てるかもしれないが、万年野党として勢力を温存するしかできにような路線に傾いている。特に、自分たちが過去に主張していたこと(原子力や安全保障、TPP、消費税引き上げ、カジノなど…)と、同じことを安倍晋三内閣がすると、絶対に許されないこととして、口汚い言葉で批判している。これでは国民に信用されない。

そんなことをいうなら、まず、最低限、自分たちが自己批判してからにすればいいのだが、党内にいまも、違う意見が存在するのである。

ネット時代は、過去の発言をアッという間に検索される。「ブーメランの女王」などと笑いものにされるだけだ。
共産党との関係では、基本思想が共産党とは違うことを明確化すべきだ。(批判覚悟で)戦術的に候補者調整をすることまで絶対におかしいとはいわないが、左派の死票を減らすためには、共産党が候補者を出したくても出せないところまで追い込むことこそ王道だ。

私は、民進党がまた政権を取るチャンスはあると思う。安倍首相は安泰だが、「ポスト安倍」は小泉退陣後と同じように「安倍ロス状態」となって、後任者は十分な人気を獲得できない可能性がある。

そのときに、民進党が対米関係など国際的な文脈も含めて現実的な路線の政党として有権者の選択肢となっていることは、日本にとって良いことのはずなのだ。

蓮舫問題については、ひとつの現実的な提案としていえば、せめて、第三者委員会を設けて、そこで戸籍などの提出を求め、事実関係の検証をしてはどうか。もちろん、戸籍なども公開しないかぎり、我々も追求の手を緩めることはしない。ただ、現在は、民進党自身が党首の二重国籍問題について責任をもった態度を示していない。

蓮舫さんの個人的問題だから党としては関与しないとしているわけでもなく、党としては問題ないとしているわけでもなく、単に逃げているだけなのである。これでは、公党都として失格だ。

いずれにしても、民進党内の良識派の蜂起を期待したい。

追伸1:蓮舫さんは怖いイメージなので可愛らしいゆるキャラを選定して民進党の顔にするのか(笑)。

民進党は20日、新たな党公認キャラクターの最終候補4点を発表した。初鹿明博青年局長は「(蓮舫)代表は怖いイメージがあるので、かわいさを重視した」と語った。(出典:読売新聞12月20日

追伸2:蓮舫さんが、自分の周辺を取材している週刊女性誌があって事実無根の記事を書かれそうだとSNSで発信中。なんだろうか?

蓮舫「二重国籍」のデタラメ
八幡和郎
飛鳥新社
2016-12-21

 

蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? - 初の女性首相候補、ネット世論で分かれた明暗 - (ワニブックスPLUS新書)
新田 哲史
ワニブックス
2016-12-08