『蓮舫「二重国籍」のデタラメ』(飛鳥新社)という私の本がいよいよ発売になりました。すでにアゴラの新田哲史編集長が「蓮舫VS小池百合子、どうしてこんなに差がついた? – 初の女性首相候補、ネット世論で分かれた明暗- 」(ワニブックスPLUS新書)を出されていますが、私のもなんとか年内に間に合いました。
なぜもっと早く出さなかったのかとお叱りを受けていますが、実のところ出版計画は難儀したのです。あれだけ話題になりながら、あちこちの出版社が飛びついてきたわけではありません。
なにしろ法的にありえない二重国籍状態にこともあろうことか首相を狙う政治家が長くあったのも大問題ならば、繰り返し嘘をつき、しかも、二重国籍状態を解消したかすら分からないという無茶苦茶な話です。
しかし、それを批判することは、国籍を問題にするのは人権に反するとか、中国と台湾をめぐるひとつの中国論にまつわるややこしい問題にかかわるから面倒だという出版社もありました。
テレビでは、本問題について話すことは少ししかありませんでした。打診はいろいろありましたが、どこかから邪魔が入って消えることも何度もありましたし、スタジオでふれないようにといわれることもありました。新聞もインタビューだけされてボツになったことも多かったのです。
さらに、出版は緊急といっても決めてから2ヶ月くらい普通にはかかります。そこで、途中で蓮舫さんが辞職するとか、殊勝な態度をとって火が消えてしまうかもしれないから、リスクが多いともいわれました。
そういう意味では、蓮舫さんが脅威の粘り腰で頑張って下さったことに心より感謝します。正直言って、戸籍を出さないということで頑張る禁じ手に出られたのは、ASKAさん顔負けの奇抜で見事な逃げっぷりで、話題になりつつ白旗を揚げないという本のためには理想的な対応をしてくださり感謝してます。
あいかわらず、この問題については、情報強者たるネット住民は精通してますが、多くの国民はなんとなく噂を聞く段階に留まっています。
しかし、こうして単行本として出ることで、活字にこだわりのある国民にも、アピールできることになったのは、嬉しいことです。
ぜひ、この問題に興味を持ってきた方にも、なんのことという人にもこの問題を知ってもらいたいものです。
また、活字を読んだうえで、やっぱりネットでないといまや情報通にはなれないと気がついて、アゴラなどの読者にんっていただけばそれも嬉しいことです。
2016年は、昨年の連続テロに続いて、移民・難民問題が西側世界を揺るがし、それが、イギリスのEU離脱、アメリカでのトランプ大統領の誕生という衝撃的な出来事に結びついた年でした。フランスの駐米大使が「世界が壊れていくのを見ているのだ」と叫んだほどです。
それが日本では、蓮舫さんの二重国籍問題というかたちで、現れました。こういう問題にきちんと対処しておかないと、日本もまた東アジアの政治的混乱から大量の難民が押し寄せてきたようなときにも、混乱を阻止できなくなると心配です。
そのあたりは、扶桑社新書から『世界と日本がわかる最強の世界史』でも詳しく論じたところです。
※アイキャッチ画像は民進党サイトより(編集部)