現職議員の度肝を抜く希望の塾の筆記試験

自分で受けようとはさらさら思わないが、試験官の立場になったらやってもいいかな、と思うのが過日行われた希望の塾の都議選候補者選抜のための予備試験である。

現職の都議会議員も7人の侍の区議会議員の方々も他の塾生と同じように同じ試験を受けた、というのが凄い。
私などは試験となるとどうしても高い点数を取りたくなる方だから、どうやっても低い点数しか取れそうにない試験はどんどんパスしてしまう方だ。

かつての私であれば大抵の試験でそこそこの点数を取れたかも知れないな、という多少の自負ぐらいは今でもあるが、今回の希望の塾の筆記試験についてはどうも大した得点が取れそうにない。
多分、自分自身の無知や未熟を痛感するような結果になるのだと思う。

まあ、やってみないと分からないのだが、普段偉そうにしていても、いざ試験を受けるとなると自分の弱点が白日の下に晒されてしまう。現職の都議会議員の方々や区議会議員の方々がよく一般の受験生に混じって筆記試験を受けられたものだ、とその勇気に感銘を受けている。

どうやら希望の塾は、皆さんに魔法をかけたようである。

都議会議員選挙で小池さんから公認を得るためには、希望の塾の候補者選抜予備試験を受験しなければならない、と。

出来レースと言われないための大事な仕掛けの一つなのだろうが、それにしても現職の都議会議員の方々にまで試験を課した、というのが凄い。試験をやると、それぞれの受験者の出来不出来が一目瞭然になる。

まあ、それなりの自信があるからこそ皆さん筆記試験に臨まれたのだろうが、いや、大したものである。
で、成績が芳しくなかった人はどうなるの。そう聞いてみたいところだが、関係者の皆さんにはちょっと意地悪かも知れない。小池さんのこれからの活動を支えてくれる大事な人は、筆記試験の結果如何に関わらずこれからも大事にされるべきである。

筆記試験はそれなりに人の力を試すのには役に立つが、本当に役に立つ人の実力は筆記試験にはなかなか現れないものである。

大変な試験だった様子が私のところにも漏れ伝わってくる。
受験された一人の区議さんが、今回の筆記試験を受けて、自分の実力不足や自分の足りないところを痛感されたようだ。

これは、いい。

今回の試験は、それぞれの受験者に自分の力不足や足りないところを気付かせる試験になったようである。
足りないところは、これから補えばいいだけの話である。
自分の実力不足や未熟さに気付いた人は、謙虚になるはずである。

何事にも謙虚になった人は、これから一生懸命に学び、さらに大きく成長して行くはずである。

案外、これが今回筆記試験を現職の都会議員や区議会議員の皆さんにも課した目的だったかも知れない。
お、これはいいぞ。
出題者がこういうことを狙っていたのかどうかはともかく、今回の希望の塾の都議選候補者選抜のための予備試験としての筆記試験は、公職の候補者を選抜する試験としては画期的なものである。

改めて、そう申し上げておく。

もっとも、やっぱり私はこの種の試験は受けたくないが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。