1分と言われれば1分、3分と言われれば3分、5分と言われれば5分で自分の言いたいことを言えるようになるのが演説を生業にしている人の目標だろう。
言いたいことがない人にとっては、この5分は実に長い。
一種の拷問である。
5分という時間を与えられていて話すことがなければ、5分間じっと黙っていなければならない。
人の前に立って、5分間黙ったままでいるのは実に辛い。
私などは聴衆が騒がしい時は、何も言わないでただマイクの前で立っているだけだが、それでも黙って立っていられる時間は30秒ぐらいだろうと思っている。
小学校の高学年や中学生の時は、よくこういうことをやった。
手を挙げて指名されたら、そこで椅子から立ち上がって教室のざわめきが静まるのを待つ。
教室が静かになったら、そこで初めて話し始める。
どんなうるさい時でも、私が立ち上がってただ黙っていると段々に周りが静かになったものだ。
さて、今はどうだろうか。
喧騒を極めている状況の中で、聴衆の関心をすべて私の話に引き寄せる自信はない。
しかし、そのくらいの力を獲得したいものだとは思っている。
本日の雄弁会では、それぞれの演者に5分の時間が与えられている。
5分で何を語ることが出来るかのテストである。
相当の準備をしておかないと、5分の時間が拷問になる。
事前の準備をよくしておくと、5分間で自分の言いたいことは大抵伝えられる。
その反面、事前の準備をよくしておかないと、まず支離滅裂になり、聞いている人にはそれこそよく話が見えない、などということになる。
5分の話は5分で終えること。
8分とか10分になってはいけない。
まあ、800字から1000字ぐらいの原稿を書いておくことだ。
原稿の内容は覚えない方がいい。
原稿に捉われてしまうと、どうしても話の中身が平板になる。
5分の話が上手に出来るようになったら、次は15分である。
少しづつ少しづつ自分の弁舌力を磨くのがいい。
【おしらせ】早川さんが登壇する第2回雄弁会が、本日11日、午後6時~午後9時まで、すみだ産業会館4階会議室(墨田区江東橋3-9-10丸井共同開発ビル・錦糸町歩1分)で開催されます。
編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。