やっぱり、トランプ政権は通商政策に為替を持ち込む方針なんですね。日経新聞やジャパン・タイムズによると、ラストベルトの1つであるペンシルベニア州フィラデルフィアでの共和党両院集会にて、「通貨安誘導に対し非常に大きく力強い(very very strong )制限を誘導していく」と宣言しました。米国メディアでは今のところ特に伝えていませんが、違和感はありません。
筆者は、こちらと23日の日経Quickの取材で「ドル安」のリスクを指摘致しておりました。理由は、以下の3点です。
トランプ米大統領の支持基盤は製造業→こちらでご説明した通り、トランプ誕生のカギを握ったのはラストベルトを含む6州。また就任演説でミシガン州デトロイトとネブラスカ州と、それぞれの州に占める製造業のシェアが1位だった州を挙げていました。
1)製造業の競争力強化
→ドル円は米大統領選から一時15%以上もドル高・円安が加速し、ドル指数は約14年ぶりの高水準を記録。世界経済が鈍化するなかで、米国の競争力が後退していました。
1)トランプ米大統領の支持基盤は製造業
→こちらでご説明した通り、トランプ誕生のカギを握ったのはラストベルトを含む6州。また就任演説でミシガン州デトロイトとネブラスカ州と、それぞれの州に占める製造業のシェアが1位だった州を挙げていました。
2)製造業の競争力強化
→ドル円は米大統領選から一時15%以上もドル高・円安が加速し、ドル指数は約14年ぶりの高水準を記録。世界経済が鈍化するなかで、米国の競争力が後退していました。
3)トランプノミクス以前のドル安誘導
→ハーバード大学のフェルドシュタイン教授が示唆したようにインフラ投資拡大、税制改革、規制緩和の3本柱のうち税制改革の国境税導入だけでドルが20~25%上昇するリスクがあり、トランプ政権としてはドル安へ誘導させドル上昇余地を作っておきたいのでしょう。
2)の過程で日本への攻撃は今後、中国へ矛先が向いてくる公算大。同盟国であり、北朝鮮での対応で協力不可欠な日本にもこの仕打ちですメキシコに至っては異例の首脳会談中止に追い込みました。中国には何を要求してくるか分かったものではありません。
2016年11月の対中赤字比率は49%と、貿易赤字全体の約半分。
愛娘イバンカの夫で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏が参画するベンチャー企業カードリーにはアリババのジャック・マー会長の名前が挙がるとはいえ、国家通商会議のピーター・ナヴァロ代表や通商代表候補のロバート・ライトハイザ―の面々をみると、穏やかに進むようには見えません。
(カバー写真:tom bullock/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年1月27日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。