小規模認可保育所を15園運営し、待機児童問題解決に尽力している認定NPO法人フローレンスの駒崎です。
ぼちぼち認可保育所の「受かった落ちた」の結果が出てくる時期で、Twitter上でも、多くの方々が悲痛な呟きをされています。
保育園落ちた。。会社は育休中だしこの先どうしたらいいのか。。
— a− (@a_06) 2017年2月2日
全落ち。腰から砕けた。#保育園落ちた
— コザック (@0320_kyo) 2017年1月28日
分かっていたけど認可落ちた。補欠順位でさえ115番目って。おばあさんまで待っても入れないねこりゃ。#保育園落ちた
— puppy (@swingreen) 2017年2月1日
入れない人がいっぱいいるのに、待機児童ゼロ
そんな中、こんな呟きが1万リツイートを超えて拡散されています。
横浜市は、希望したけど認可保育所に入れなかった人たちを「保留児童」と呼び、そこから横浜保育室等に入れた人を引き、さらに育休延長した人や自宅で休職している人を抜いた人たちを「待機児童」としています。
つまり、「保育園入れなかったから、育休延長します・・・」という人の子は、待機児童では「ない」んですね。
待機児童の定義がすごく狭いことで、待機児童数が減る、というマジックです。
ひどい!と思われたかもしれませんが、川崎市等、他の自治体でも行われている手段です。
待機児童の定義が自治体で違う
それもこれも、厚労省が待機児童の定義を統一せず、自治体に任せているからです。これは、自治体ごとに「保育所が利用できる、働いている時間数」が違うから、一概にできないよね、としていたことが裏目にでた結果です。
指標が対策を遅らす
でも、この「実態を過少に表す不思議な指標」のお陰で、待機児童の深刻さに気づきづらくなり、対策が遅れてしまっているのは本当に大きな問題です。
例えば、ある自治体の首長は「うちは、待機児童少ないからね!特に他の自治体と違って手は打たなくて良いんだよ。ガハハ!」と、下から上がってきた数値を見て思ってしまうわけです。それが実態を矮小化する数字かどうかなんて、気づかない。
以前、ある党に呼ばれて待機児童問題についてレクチャーした際に、言われたことです。
「まあ、待機児童問題は東京の問題だからね・・・」
彼がそう言うのも、手元にある「厚労省作・待機児童マップ」を見れば、気持ちは分かります。その指標の定義が、彼が選出された町と、隣の市が違うことなんて、どこにも書いてないし、一度関係ないと思ったら、関心は薄れていくのです。
こうして、本当は取るべきだった対策が、取られずに放置されていくのです。
「不承諾通知」をSNSにアップしよう
ではどうすれば良いのか。「保育園落ちた」ことが分かる、「不承諾通知」をツイッターやフェイスブック、インスタグラム等のSNSにアップするのです。
#保育園に入りたい #保育園落ちた #横浜市 等のハッシュタグをつけて。すでにやられている方々もいます。
そうして、誤った指標だけを見ている、政治家や区長・市長さんに気づいて頂きましょう。また、「待機児童って限られた地域の話でしょ」と思っている、子育てから遠いところにいる方々にも、分かってもらいましょう。
問題は、可視化されることで、解決が加速化します。あなたのワンアクションが、積もれば大きな問題提起となるのです。
ぜひ、トライしてみてください。
#保育園に入りたい のメッセージとともに。
編集部より:この記事は、認定NPO法人フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏のブログ 2017年2月2日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は駒崎弘樹BLOGをご覧ください。