最近のバレンタインを難しいと思ったことはないだろうか。甘すぎるバレンタインや奇をてらったバレンタインは、気恥ずかしいという人も少なくないはずだ。大人には大人のバレンタインの“あるべき姿”がある。
こんな時、自分の心を伝えるには手作りに勝るものはない。相手を「おっ!」といわせる、クールなチョコレートケーキに挑戦したい。有名なパティシエにも負けない本格的な手作りケーキで相手の気持ちを確かめたいものだ。
さて、前回、2017年02月08日のエントリー「迫るバレンタイン!思いをはせて素敵なチョコライフを」のなかで簡単なガトーショコラのレシピを紹介したところ、思いのほか好評だったので、今回は詳細な手順を公開したいと思う。
レシピの公開は、ケンズカフェ東京(東京・新宿御苑前)の氏家健治シェフ(以下、氏家)監修のものである。今回、バレンタイン用に特別にレシピを提供いただいた。心より御礼申し上げたい。
同店のガトーショコラは、フジテレビ「有吉くんの正直さんぽ」、TBS「ランク王国」、日本テレビ「ヒルナンデス! 」「おしゃれイズム」「嵐にしやがれ」などで紹介されたことがあるので、ご存知の方も多いことだろう。
■甘くないガトーショコラのレシピとは
今回紹介するのは、小麦粉不使用、グルテンフリー、氏家監修の特別レシピになる。このレシピどおりに手を進めてもらえれば、1本600gのガトーショコラが完成する。ガトーショコラは常温で、冷やして、軽く温めてと、さまざまな方法で“愉しむ”ことができる。
<ガトーショコラのレシピ>
材料(1本 600g)
・チョコレート (カカオ分70%)200g
・全卵(M玉、約4個)180g
・無塩バター170g
・グラニュー糖 70g
<作り方>
無塩バターを刻んでボウルに入れます。チョコレートをボウルに入れます。湯煎をして、ヘラで混ぜ合わせながら溶かします。-A
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Aに、グラニュー糖を加え、ホイッパーで混ぜ合わせます(グラニュー糖は溶けきらなくても構いません) 。-B
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常温の全卵をホイッパーまたはハンドミキサーで溶きほぐします。網で漉してやめらかにしておきます。
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Bを湯煎したまま、溶きほぐした卵を4回に分けて加え、混ぜ合わせます。
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グラニュー糖が溶けきり、ツヤと粘りが出るまで、よーく混ぜ合わせます(ガトーショコラ生地の完成です)。-C
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Cを、クッキングシートを敷いたパウンドケーキ型(20㎝)、またはデコレーションケーキ型(15㎝)に流し込みます。
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190度に設定したオーブンで18分前後、焼き上げます。
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上面の焼き具合が「中央が少しレアな感じ」でオーブンから取り出します。
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粗熱をとってから型から取り出し、完成です。
なお、作りかたのコツも紹介したい。最初の段階でチョコとバターを溶けやすいよう細かく刻むと作業がはかどる。クーベルチュールチョコレートは、カカオ分70%前後が最適。グラニュー糖の量は好みに応じて調整すること。手順はそれほど難しくはない。
■バレンタインの歴史に思いをはせる
バレンタインには悲しいエピソードがある。キリスト教の聖職者である、聖ヴァレンティヌス(Valentinus, – 269年2月14日)は、結婚を望む兵士たちのために結婚式を執り行ったために投獄され処刑された。
「その後、聖ヴァレンティヌスは『愛の守護聖人』として信仰されるようになりました。バレンタインデーが、いまのようになったのは、14世紀~15世紀のヨーロッパと言われています。シェークスピアにも聖ヴァレンタインの日として紹介されています。」(氏家)
「ヨーロッパでは、バレンタインデーにあわせて、男性から女性に花を贈る文化があります。カードにメッセージと花を添えるのが一般的で、求愛の大切なイベントです。」(同)
また、ヨーロッパ諸国では、バレンタインの演出やエスコートは「男子の愛情のバロメーターが試される重要な機会」と考えられているようだ。
「男性は、女性を喜ばせるためにロマンティックな演出やプランが必要です。素敵なレストランをチョイスしてワインを抜き、小さなプレゼントやバラなど素敵な花を用意します。バレンタインデーにおいて最も重要なものは『花』です。プレゼントよりも花が重視されます。そのスタイルはとても情熱的です。」(氏家)
「ドラマや映画で、花が職場や家に贈られるようなシーンがありますが、海外では決して珍しい光景ではありません。」(同)
贈る花は、バラが一般的のようだが、最近はアレンジを加えたものも増えている。あなたはどのように演出をするのだろうか。
なお、少々調べたところ、チョコレートを贈る習慣がある国は少ない。日本、オーストラリア、アメリカなどが挙げられるが、日本は女性が男性にプレゼントするためのイベントとして考えられているので、他国とは事情が少々異なる。
日本独自の風習もある。義理チョコ、本命チョコなどは日本以外には存在しない。この機会に、先人が築いたバレンタインの歴史に思いをはせてみたい。
尾藤克之
コラムニスト
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