中国人講師に聞いた!日本人に中国語が容易である理由

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正面講師が陳氏

「来月から中国に赴任なんだけど語学をどうすればいいの」「中国に旅行するので、かたことでも覚えたい」「第二外国語で中国語をマスターしたいけど勉強方法は」。いざ中国語を勉強しようと思っても、どのような勉強方法が効果的かわからない人が少なくない。

このような時には、中国語と日本語の双方に堪能な人に聞くのが手っ取り早い。『筆談で覚える中国語』(サンマーク出版)の著者であり、中国語講師の、陳氷雅(以下、陳氏)は、中国語を簡単に覚えるなら「発音にとらわれるな!」と主張する。

最近、陳氏の中国語速攻講座には注目が集まっている。ここ数ヶ月で、「Ameba Prime」(Ameba TV)、「MORNING RADIO」(J-WAVE )にもゲスト出演している。「発音が不要」という新奇性が好感されているようだ。

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日本人に中国語が容易である理由とは

事実、中国語のニーズは高いことは間違いない。ところがビジネスの現場において中国語をマスターしている人は少ない。そして、多くの人は日本人が中国語と相性がよいこともしらない。私たち日本人は漢字を習得しているからである。日本人の優位性は次のデータからも明らかである。

「中国では1975~76年にかけて、大掛かりな漢字統計調査が行われました。本、雑誌、など多くの出版物が精査され、使われていた漢字は合計して6335字であることが判明しました。使用頻度は、最常用漢字560字、常用漢字807字、準常用漢字1033字の合計2400字であることも明らかになりました。」(陳氏)

「2400字の常用漢字を調査したところ、簡略化されているものが800字ありました。日本語と共通している漢字は1600字あり全体の3分の2を占めていたのです。必要になる常用漢字は2400字程度です。7割が日本の漢字(日本の常用漢字数2136字)と、ほぼ同じですから、覚えるのはたった800字です。」(同)

日本人以外の外国人が中国語を覚えるとなると、漢字はハードルになる。しかし、私たちはそれを終えている。これは大きなアドバンテージといえよう。

「簡体字を読めるだけで十分に会話は成立します。中国人は日本の漢字を読めるので、日本にない簡体字を読めるようになることが大事でしょう。簡体字を見て意味がわかるようになると、さらに上達が早まります。」(陳氏)

「ルールがわかれば簡体字を覚えるのは簡単です。覚えるべき800字のうち、7割の漢字を十分に網羅すれば日常会話には困ることはありません。」(同)

HSK(漢語水平考試)は中国政府が公認している中国語試験だが上級の合格者の約9割が日本人か韓国人で占められている。日本人が有利といわれる一つの根拠にもなるだろう。

出版を実現するまで2年を費やした

学習方法にはメリット・デメリットがある。最も自分に適したものを取捨選択すればよいと思うが、発音で多くの人が挫折することも事実。そのような人には試す価値が充分にある。

「多くの場合、中国語の学習は発音からはいります。難しく挫折しがちな発音から学ぶ必要なんてどこにもありません。難しい発音から学ぶのは、とにかく非効率でもったいないのです。」(陳氏)

本書に書かれている筆談という手法は、現状においては必ずしも一般性があるとはいえない。しかし、「急遽の赴任」「中国への旅行」「第二外国語(中国語)の学習方法に悩みを抱えている」という人には参考になると考えられる。

また、本書は構想してから出版という形にするまでに2年を費やしたそうだ。相当な紆余曲折があったと思うが、ひた向きな姿勢にも敬意を表したい。

尾藤克之
コラムニスト

<アゴラ研究所からおしらせ>

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