石原さんは、小池さんを批判したかっただけでは

早川 忠孝

石原さんとしては今日の記者会見で小池さんに一太刀浴びせたつもりだろうが、掛け声はそれなりのものだったが切っ先がまったく相手に届いていない。

まあ、それでもご自分は言いたいことを言ったつもりになっておられるだろうが、わざわざテレビ局が生中継しなければならないほどの価値はなかった。

今日の記者会見で石原さんの味方が増えた、小池さんに対しての批判の声が高まった、というのであれば、少なくとも石原さんにとっては意味があった記者会見だった、ということになるだろうが、視聴者の溜飲が下がるようなこともなければ、都議会議員の方々の心胆が寒くなるような途轍もない新事実が開陳されたわけでもない。

ああ、小池さんの批判をしたくて堪らなかったんですね、というところである。

これで100条委員会の方々は思う存分、石原さんに質問することが出来る。

石原さんには手元に何も武器らしい武器がもない、ということが明らかになっただけのことで、石原さんは、どんな質問をされても、自分は知らない、専門家の人や担当者がやっただけで、自分は決裁しただけだ、と答えるだろうことが分かる。

石原さんが万事に付けよきに計らえというお殿様タイプの人だった、ということは分かってはいたが、今はそういうお殿様は流行らない。

墓穴を掘ったということはないようだが、何の役にも立たない記者会見だった、ということはまず間違いないだろう。

石原さんには自分を護る武器がないらしい、ということが分かれば、どこかで勇み立つ人もいるはずだ。

森友学園問題等で参議院が目を離せなくなったが、やはり都議会の方も目が離せそうにない。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月3日の記事を転載させていただきました(アイキャッチ画像は都庁サイトより)。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。