政治家・リーダーは決断・意思決定をすることがお仕事です

松本 孝行

東京都に住んでいない、兵庫県民の私が言うのもお門違いかもしれません。しかし東京に関係のない関西でも、築地・豊洲問題はしょっちゅう報道されているので、話題を無視するのはなかなか難しいのが現状です。なんで東京ローカルの話題が日本中のニュースで流れているのかはさておき、おときたさんの下記のつぶやきについては私も同意する部分があります。

同意する部分は「科学的安全だけで築地・豊洲問題は解決できない」という部分です。ただ、おときたさんは結論としては「都民の安心を持ってして、移転ができるんだ」と言いたいのでしょうが、私はそうは思いません。この問題はすでに政治家・リーダーとしての資質の問題だと思います。

リーダーとしての資質は?

なぜ小池都知事は移転か移転廃止を決断しないの?

築地・豊洲の問題にしてもオリンピックの問題にしてもそうですが、リーダーというのは「決断をすること」が仕事です。右に行くのか左に行くのか、戻るのか進むのか…それら様々な意思決定を行い、決断していくことが求められている仕事です。

小池都知事は都知事になってからと言うもの、ほとんど決断・意思決定をしているシーンを見ていないのは気のせいでしょうか?例えばオリンピックの競技場所についての問題も「こんなに費用がかかるのはおかしい」と、今までの決断を混ぜっ返すことはしました。しかし混ぜっ返した後は結局元の場所で落ち着いています。元の案であったとしても、そこに小池都知事が「やっぱり元の所が良いみたいだから、元の案で進めてね」と意思決定・決断したわけではなく、フワッと雰囲気で元の案で進んでいます。

築地・豊洲の問題も同じです。そもそも小池都知事は豊洲への移転推進派なのでしょうか?それとも移転反対派なのでしょうか?その態度すら曖昧で、安全性調査などを指示するだけです。安全性調査も移転推進の場合であれば「こういう結果だったけれども問題ないから推進しよう」となりますし、反対派であれば「これだけ問題が出たから移転中止だ」と決断できます。しかし小池さんはそういった推進・反対の素振りを見せません。

移転するにしても移転しないにしても、何も決めないのであればリーダーとしての仕事をしていないのではないか?と見えてしまいます。

清濁併せ呑む事ができないリーダーはいらない

今回の東京都が見せる築地・豊洲問題を始めとして、どんな決断・意思決定であっても、必ず賛成・反対が出てくるものです。100%賛成や100%反対と言うのは独裁国家でもなければありえません。賛成・反対両方の意見がある中で、リーダーは意思決定・決断をしなければならないのです。

意思決定・決断をすれば、それについていかないという言う人もいるでしょう。決断と逆の意見・立場を持つ人は納得しないかもしれません。しかしそれらも含めて、清濁併せ呑むだけの器の大きさというのが、リーダーには必要です。反対されても自分が正しいと思うなら、そちらの方に進むだけの力が必要なのです。

もちろんおときたさんを始めとして、多くの都議の方々や小池都知事の立場・守りたいものというのがそれぞれあると思います。しかしこれだけの騒動をズルズルと引き伸ばしたところで、何も生まれません。そろそろ意思決定・決断をすべき時期ではないでしょうか。「豊洲に移転すべき」なのか「築地を使い続けるべき」なのか、その意思決定・決断をしなければならない時期です

一時期、大阪市のように住民投票をしたらどうか、なんていう話もありましたがそれはまったくお門違いです。大阪市は橋下さんが「こうすべきだ!」と意思決定・決断をし、それを市議会の自民党や共産党が反対したために住民投票になったのです。豊洲への移転も築地の利用継続も決断していない時点で、意思決定・決断を都民に委ねる住民投票なんてありえません。

今必要なのは小池都知事の決断・意思決定です。都民や国民の安心なんていうものを待っていたら、一生決断・意思決定も出来ない東京都になってしまいます。日本で1番の都市なのですから、もっとしっかりして欲しいと外野からは思えるのです。