「平成19年(2007年)、まだ地域包括ケアシステムという言葉もない時代です。大田区(東京都)では月1万件の高齢者の相談を受けていましたが、相談に来ない人/来れない人にどうアプローチするか考え始めたんです。」と、語るのは、大田区地域包括支援センター入新井センター長の澤登久雄さん。
普通の人にとって、医療・福祉・介護の専門職は遠い存在。地域の方々とともに、元気な頃から日
常的につながる仕組みづくりに取り組んだ。
商店街の空き店舗を改装した「アキナイ山王亭」では、年間300を超えるイベント・勉強会を開催。元気かあさんのミマモリ食堂などのスタッフには、現金ではなく、地域の商店街の利用券を支給。少しでも地域で循環させたいとの思いだ。
また、商店街の各店も、みまーもの活動に共感し、さまざまなみまーも割引を実施。「アキナイ山王亭」に定期的に人が集まり、そこから商店街に人が流れることが定着。気が付けば、商店街の空き店舗がゼロになったという。
商店街では、古くから屋根、カラー塗装、駐車場が三種の神器と言われ、たくさんの補助金が投入されたが、必ずしも十分な成果を挙げているわけではない。
一方、みまーもでは、持続可能な仕組みにするため、当初から助成金に頼らず企業などから協賛金を募り、また、人が集まるためのソフト事業を継続的に行ってきたが、そのことが結果として、商店街の再生にもつながったことは興味深い。
<もっと知りたい!>
●日南市油津商店街の木藤亮太さんが語る商店街再生の極意「隙間を埋めるのではなく隙間をつくる
<井上貴至(長島町副町長(地方創生担当)プロフィール>
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68458684.html
<井上貴至の働き方・公私一致>
東京大学校友会ニュース「社会課題に挑戦する卒業生たち」
学生・卒業生への熱いメッセージです!
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68581524.html
<井上貴至の提言>
杯型社会に、求められること
http://blog.livedoor.jp/sekainotakachan/archives/68619160.html
編集部より:この記事は、鹿児島県長島町副町長、井上貴至氏のブログ 2017年3月8日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は井上氏のブログ『「長島大陸」地方創生物語~井上貴至の地域づくりは楽しい~』をご覧ください。