南スーダンPKO撤収、首相が表明「施設整備に区切り」(朝日新聞)
首相は、撤収を決めた理由について「施設部隊の派遣としては過去最長となる。首都ジュバと各地を結ぶ幹線道路の整備など南スーダンの国づくりに大きな貢献を果たしてきた。南スーダンの国づくりが新たな段階を迎える中、自衛隊が担当しているジュバの施設整備は一定の区切りをつけることができる」と説明した。
あまりにもずさんな言い訳です。
ついこの間まで、そんな見通しは一言も言っていなかったのに。
仮にそうであれば、事前に見通しを発表していたはずでしょう。
まるで素人のような言い訳です。
こんな話で国民が騙されると思っているならば、随分と舐められたものです
安倍首相国民はこの程度で騙せる愚民ばかりだとでも思っているのでしょう。
撤退は、安倍政権の保身でしょう。
死傷がでたら政権がとびます。
まず、例の日報問題で、戦闘を「衝突」と言い換えたけども、法的な文言がどっちでも、弾が飛んできて、隊員が死傷するのは同じことです。
現場では戦闘が行われており、既にPKO派遣の原則が崩れているわけです。
しかも、駆けつけ警護を命じるも、自衛隊の医療体制が極めてお粗末であることが、ぼくの記事などで公になっていることがあるでしょう。諸外国からみて、完全に劣っており、これで死傷者がでれば責任が問われるは必至であり、内閣がとぶでしょう。
火力でいえば、周りがみんなアサルトライフルを使っているとこに、火縄銃で送り出したようなものです。
過去のぼくの記事や大臣会見での質問でも、政府は衛生が劣っていることを知りつつも、自衛隊を危険な任務に送り出した。首相も防衛大臣も不作為の人殺しと言われるでしょう。
本人や家族から訴えられた120パーセント負けるでしょう。
ぼくは証人を頼まれれば受けるつもりでした。
既に記事や記者会見などでいかに自衛隊の医療体制がひどいか、諸外国からみて劣っているか、のべてきました。当然ながら政府も把握しているはずです。
ところが、おまえ裸身で来いや、と送り出した。
安倍政権の自衛官の人権に対する意識は、戦時中の大本営参謀と同じレベル、ということです。
所詮兵隊は使い捨て、なわけです。
本来戦闘任務を付加するのであれば、諸外国並の衛生の体制を整えてからおこなうべきでした。
ところが防衛省、陸自の衛生村には見識はなく平和ボケ、首相にも官邸にも問題意識は薄く、医師法や薬事法の改正なども圧力団体が怖くて、あるいは面倒くさくてやらなかった。
で、現場の隊員におまえら死んでこい、手足無くしてこいと送り出した訳です。
政治家以前にまともな人間なら言えないことですよ。
ところが安倍マンセーの頭の悪い自称「愛国者」の方々は首相の決断を支持したわけです。
戦前の頭の悪い新聞記者やごろつき右翼と同じレベルです。
しかもカンボジアのPKO以来どれだけ時間が経っているわけですか。
ルワンダでも銃撃されたが、それもほっかむりして無かったことにしていますが、過去のPKOで攻撃により死傷者が出てもおかしくなかった。しかもイラクでは事故に遭った隊員が、まともなケアも受けららずに自衛隊を追い出されています。
繰り返しますが、兵隊を人間扱いしないといことでは、安倍政権は戦時中の軍事政権と目くそなはくそレベルですし。
医師法や薬事法すらちょこと改正もできない輩が、憲法変えられるかできるわけないでしょう。
憲法を変えても医師法や薬事法の改正もできずに、自衛隊は手足を縛られたままで放置されるでしょう。
所詮、安倍首相には総理大臣になって、実現したい政治目的などなかったのでしょう。
じいさんみたいに総理になりたいという、手段が目的化した権力亡者なのでしょう。
しかもいったん首相になったら出来るだけ永く、その椅子にしがみついていたい。
政治家として成したいことがあるわけではなく、単に総理大臣になりたかっただけ。
そうとしか思えません。
だから、森友問題で火だるまになったいま、PKOで死傷者がでれば、総理の椅子を追われることになるのを、恐れたのでしょう。
何しろ政権にしがみつくことだけが「政治目的」ですから。
こういう手合いが、「日本を取り戻す」とか「戦後レジームからの脱却」と言っているわけです。
そろそろ、騙されている国民の皆さんも、安倍総理の資質を見極めるべき時にきているのではないでしょうか。
編集部より:この記事は、軍事ジャーナリスト、清谷信一氏のブログ 2017年3月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、清谷信一公式ブログ「清谷防衛経済研究所」をご覧ください。