これで「住民投票」という愚かな選択はなくなった ?

定例記者会見で「市場のあり方戦略本部」新設を発表した小池知事(Facebookより:編集部)

潮目を読むのに長けた方だから、しっかり手を打たれたのだろう。

小池さんは24日の定例記者会見で、築地市場から豊洲市場への移転問題について判断するために、都庁内に中西充副知事をトップとする「市場のあり方戦略本部」を新設することを表明された。

そろそろ豊洲移転の決定をしてもいい頃ではないかな、と思ってはいたが、小池さんが今の段階で唐突に豊洲市場についての安全宣言などを出すと豊洲移転反対派の方々が騒ぎ出すだろうから、さてどういう段取りがいいかな、とあれやこれや考え始めていたのだが、さすがに小池さんの周りには知恵がある人が揃っているようだ。

市場長の経験もある副知事をトップに据えたところなどは、さすがである。
都庁にはそれなりの人材が揃っているはずだから、いつまでも外部の人材に頼っているとどこかの時点で内部から突き上げを喰らうことになるぞ、と心配していたのだが、これで都庁も大分落ち着くはずである。

いよいよ次の段階に入るのかな、と思わせるような落ち着いた記者会見だったろうと思う。

一時期は7月の都議会議員選挙の争点にする、とか、小池さんはどうも住民投票にかけて豊洲移転の可否を決定しようとしているようだ、などと様々な観測が流れていたが、これで豊洲移転問題が都議会議員選挙の一大争点になることもなく、住民投票を実施する動機もなくなった、ということになる。

結構なことである。
小池さんの潮目の読み方は、やはりさすがだと言わざるを得ない。

それでも小池さんを批判する人は出てくるだろうが、小池バッシングが燎原の火のように拡がる虞はまったくない。

永田町は如何にも風雲急を告げてきたかのような雰囲気だが、東京都政に限っては何の波乱要素もない。2月の千代田区長選に示された民意が大きく揺らぐような事態にはなりそうもない、ということを取り急ぎお伝えしておく。

まあ、自民党東京都連最高顧問の願望には反するだろうが。


編集部より:この記事は、弁護士・元衆議院議員、早川忠孝氏のブログ 2017年3月25日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は早川氏の公式ブログ「早川忠孝の一念発起・日々新たに」をご覧ください。