本日都議会は予算特別委員会は、自民党が「議論が尽くされてない」と会期を延長するのしないのでゴタゴタやってますが、こんな騒然としているなかでも4800に及ぶ都政事業は粛々と続いているのであります。お姐は、厚生委員会の予算調査で先週は缶詰でございました。福祉保健局は、45問80分一本勝負!でありました。
その中でもぜひ皆様に知っていただきたいのが、不自然死(死因不明の急性死や事故死など)について、死因を明らかにする死体の検案及び解剖の三多摩で、格差といもいえる違いがあるということです。委員会資料です。
「特別区及び多摩地域における検案・解剖実績」
↑の表のとおり、23区で不自然死をする方と、三多摩地区26市で不自然死をする場合とでは、対応が異なるということです。
それは何か?といえば、東京23区には東京都監察医務院がありますが、三多摩地区にはないため立川市を除いて、医師会や大学病院によります検案・解剖となるということになります。
監察医務院とは…
「東京都監察医務院は、東京都23区において死因がわからず急に亡くなられた方々や事故などで亡くなられた方々の死因を明らかにしています。また、これらの過程で得られた貴重な情報は、公衆衛生、医学、司法などの領域で役立てられています。」(HPより)
監察医務院は世界最高水準に匹敵すると都も自負する技術を誇ります。(詳細は視察に行った時の過去blog参照)しかも、死体検案書は遺族に対して無料で1通交付され、二通目以降も1,500円、謄本の場合1通900円と安価に手に入ります。
多摩・当初地域での死体検案書は遺族に対して無料で1通交付されるものの、2通目以降は交付する医師が決め、これは数千円かかる場合が多く監察医務院よりはかなり価格が違う状況です。
三多摩地区の医師会、大学病院ともご尽力していただいているのは重々承知はしているのですが、日常的な医療行為もあり、監察医務院ほどの専門機器がそろってない環境の違いにより、それでなくても多忙な医師の皆様のご負担をおかけしてないのかと常々懸念をしておりました。また、地域間で費用や技術に格差があるのではないかと都民の声も頂戴しておりまして、予算調査で確認をしたわけです。
監察医務院では尊い命が教えてくれたことを分析・データ化して今を生きる人々のために活用をされています。厚生委員会では以下も合わせて取り寄せました。
「監察医務院における妊産婦自殺の検案数の推移」
新聞でも報道となった胸を突くデータですが、赤ちゃんに恵まれ幸せなはずの妊産婦さんの自殺の状況も監察医務院により明らかになりこれをもって私も対策を求め東京都も「妊娠相談ホットライン」を開設し「ゆりかご・とうきょう事業」や包括補助で支援をするとの言質をとりました。薬物中毒死についても興味深い研究報告をしており、医療・福祉現場で活用をされてもいます。エコノミークラス症候群を発見したのも、監察医務院でありました。
23区は不自然死はもれなく監察医務院へ運ばれます。さまざまなインフラがそろっている監察医務院の方が、不自然な死因、ことに犯罪によるものではないか…など見つけ出す率が高いのではないのかと私は考えた次第であります。
そこで、このような質疑をやりとりしました。
お姐「三多摩地区も監察医務院の対象とすることが必要であり、新設する必要があるのでは?」
医療政策部長「政令では、監察医を置く地域は東京23区、大阪市、横浜市、名古屋市、神戸市の5つの地域と定められており、監察解剖を実施。医務院を設置。政令で定められていない多摩・島しょは医師会や大学などの協力を得て懸案を実施。死体究明の体制は、本来国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えることが必要。都は、監察医務院制度が都内全域に適用できるよう、繰り返し国に求めている。」
お姐「監察医務院OB医による“死体は語る”という名著があるが、その声を聴く医師や体制が必要なことから、ぜひ三多摩地区への監察医務院新設を求めるものです。」
昨年度は、お姐は警察・消防委員会の理事を担当いたしました。いろいろな調査をしていくうちに、三多摩地区での検案・解剖を監察医務院でして欲しいのではないかという、熱血警察官の情熱を感じる瞬間が多々ありました。理不尽な死を遂げた人々の声をうけとめ、あるいは不自然死から新たな病気を解明したり、そして、孤独な大都会で生きる人達を支える事業など命から教わる機会を三多摩地区でもぜひ増やして頂きたいものです。幸い東京都も同じ問題意識を持っているようです。後は国の法整備。この予算調査の質疑が都政、ひいては国政にまで反映されるよう願っております。
【お姐総括】
死人に口なしは過去のこと!
オール東京で取り組むべし。
☆お姐、監察医務院院長の「あらゆる権力を排して白紙て向かう」は座右の銘になったな!☆
上田令子 プロフィール