「働き方改革に物申す」院内集会にかける想い

時は、きた。いよいよ本日は「働き方改革に物申す」院内集会だ。すでに80名を超える方からお申込みを頂いている。会場のキャパは約100名。ふらりとやってくる国会議員や秘書の方、さらに我々の関係者もいるので、超満員だと言っていい。メディアの取材も多数入っている。当日、ダイジェスト版がAbema TVで流れることにもなった。既に申し込みは締め切っているが、当日も参加を受け付けているので、迷っている人、急に時間ができた人は、18時30分に参議院議員会館に来て欲しい。メディア、ブロガーの方の取材依頼も大歓迎だ。

意識が低い、若き老害と呼ばれる私が、珍しく、意識が高くなっている。それくらい、「働き方改革」のあり方や、議論のされ方、着地点のようなものに対して、怒りを感じていたからである。行動する知識人として「働き方改革は所詮、働かせ方改革だ」「その美名のもと、労働者がますます搾取される社会の実現を断固として阻止しなくてはならない」という旗幟も鮮明に、たたかう決意を打ち固めたのである。

この「働かせ方改革」という表現は、メディアにも飛び火している。昨日の毎日新聞は

残業上限「月100時間」 政労使合意 これは「過労死の合法化」だ

という記事を掲載している。その中でも「働かせ方改革」という言葉が使われている。

働き方が国をあげた議論になるということは画期的なことである。「働き方を変えよう、見直そう」と言われれば、総論では誰も反対はしない。ただ、その結果として労働者がますます搾取され、抑圧され、政治家の圧政に敗北する社会、資本家に屈服する会社の実現を断じて許してはならない。

長時間労働の是正については、規制強化には賛成ではあるものの、慎重に議論し、段階的に進めなくてはますますサービス残業が誘発されてしまうという問題に何度でも警鐘を鳴らしたい。問題の本質的な解決のためには、仕事の絶対量、任せ方に踏み込まなくてはならない。

単なる改善を改革と呼んではいけない。先人たちの議論と試行錯誤の積み重ねに対しても敬意を払い、検討を進めなくてはならない。「日本は労働生産性が低い」という言いっぱなしも看過することはできない。企業や労働者に丸投げされ、悪者扱いされる状態を許してはならないのである。

問題を孕んだ事例がベスト・プラクティスで紹介されている状態も看過してはならない。「働き方改革」は人材ビジネス企業、IT企業、コンサルティング会社の営業ツールに成り下がっている。

豊かな国とは何か、それをどう実現するのかというビジョンが必要である。働き方改革は万能の杖でもない。気づけば、息苦しく、働きづらい社会を皆で作り上げてしまっていたということにならないか。

つまりはこういうことだ。「働き方改革」と聞いて、血湧き、肉踊る者がいるだろうか。

図星だろう?
ズバリ当たってしまったか・・・
なァーーーーッ!?
(ジョジョ2部のエシディシ風に読むこと)

「改革」と言いつつ、目指しているゴールは昭和の延長に見える。もう2017年だ。平成29年。天皇陛下の生前退位も迫りつつある。次の働き方の議論をしなくてはならない。

私たちは、歴史の歯車を回したい。

本日の弁士とその演題だ。

・育児・教育ジャーナリスト おおたとしまさ
「働き方改革への懸念 『ゆとり教育の二の舞い』」

・フリーライター 赤木智弘
「『「丸山眞男」をひっぱたきたい 31歳フリーター。希望は、戦争。 』から10年 日本社会の何が変わったか」

・ウェブ編集者・元博報堂社員 中川淳一郎
「大手広告代理店の働き方 何が変わり、何が変わっていないのか」

・千葉商科大学国際教養学部専任講師 常見陽平
「働き方改革の難点 1億総安心労働社会の実現を」

最高の強敵(とも)たちと一緒に、日本社会に檄を叩きつける。労働者が政治家や経営者に騙され、搾取されることのない社会をめざして。絶望の星の上にもきっと夢や希望はあると信じて。

というわけで、学生・労働者・市民諸君は、本日3月28日(火)の18時30分に、参議院議員会館に集結して欲しい。迷わずいけよ、いけばわかるさ!



中川の新作、バカ売れしているらしい。ぜひ、手にとってほしい。



私の本もだ。働き方の前、生活がかかっている。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年3月28日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。