サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁と言えば、イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の子飼いといっても過言ではありません。ウィリアムズ総裁はFRBを経て2002年にサンフランシスコ連銀入りというキャリアですから、前任者で2004~2010年までSF連銀総裁だったイエレンFRB議長と近しい関係であることは想像に難くありません。
そのウィリアムズ総裁は、トランプ米大統領が就任して初めて「インフラ投資1兆ドル」と言及した2月28日の議会演説直前、まるで協調したかのようにNY連銀のダドリー総裁と3月利上げに明確なサインを点灯させましたよね。29日には「年4回(年内あと3回)の利上げを除外しない」と発言しました。
同じ日、ボストン連銀のローゼングレン総裁は「もう少し迅速に利上げしなければならない」と述べ、6月、9月、12月と隔会合での利上げに言及しています。
ただし、マーケットの反応は乏しい。FF先物市場で、年内あと3回の利上げ織り込み度は15%と29日時点で、年内あと1回並びに2回の34%の半分以下です。
両者は今年の投票メンバーでなく、またサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁はかつてタカ派寄りの姿勢を示したものの、金融政策には反映されなかった過去もあります。さらに、28日にはフィッシャーFRB副議長は「年2回の利上げが適切」との見解を寄せていました。とはいえ、3月利上げのパターンもあり連銀総裁の発言、特にサンフランシスコ連銀総裁のコメントには注意が必要でしょう。
(カバー写真:Steve McClanahan/Flickr)
編集部より:この記事は安田佐和子氏のブログ「MY BIG APPLE – NEW YORK -」2017年3月30日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はMY BIG APPLE – NEW YORK –をご覧ください。