「働き方改革」時代だからこそ、自らムダを創り出す工夫も必要だ

『潮』と『宣伝会議』の最新号に登場。

潮出版社
2017-04-05



前者は、「新出発を迎える人へ。」という企画で若者へのエールを。川淵三郎氏のすぐあとで恐縮・・・。暑苦しく書いている。ちょうど20年前、新社会人になった頃のこととかね。



後者は、「いつやるの、今でしょ!」の仕掛け人、電通のコピーライター阿部広太郎さんと「働き方改革×コピーライター」というテーマで対談。

これが超絶良対談で。コピーライターのこれからの働き方について語り合っているのだが、なかなか本質的なことが論じられていると思い。

「働き方改革」というのは名前の付け方が絶妙だ。「最大のチャレンジ」と安倍晋三首相は当初から語っていた。しかし、実際は「働かせ方改革」である。しかも、大きな論点となった「長時間労働是正」に関しては、「働き方」ではなく「休み方」の話に終始しており。

この阿部さんとの対談はいま、綺麗事の裏で起きてしまっている問題に触れつつ、ポジティブな処世術のようなものを提案できたような気がし。労働時間を減らせといいつつ、仕事は減らない。しかも、仕事の範囲は広がっている。コピーライターにしても、コピーを書けばいいわけではなく、全体をプロデュースする力がますます求められており。生活者も多様化、分断化する中、情報収集の時間も必要となってくる。仕事なのか、仕事ではないのかわからないマージナルな取り組みも増えてくる。労働時間の「見えない化」もすすむ。

こんな時に問い直したいのは「いい仕事」とは何か?ということだ。削ってはいけないお金や時間まで削ってしまおうとするのが今の企業社会ではないか。「働き方改革」のポジティブな姿があるとするならば、社会や会社や、個人にとっての労働が問い直されることだと思う。コピーライターは世の中を動かしてナンボ。動かす言葉をつくる。残る言葉をつくるのだ。

で、世の中が効率化に動く中、「意味のあるムダ」を意識的につくり出した人って強いよね。

というわけで、「いい仕事」してますか?



最新作、よろしくね。

処世術の話もいっぱいよ。


編集部より:この記事は常見陽平氏のブログ「陽平ドットコム~試みの水平線~」2017年4月3日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。