東京都議会議員の川松真一朗(墨田区選出・都議会自民党最年少)です。
市場の未来
今日は今の築地市場を踏まえた上で、どんな市場を東京都は整備し、夢と希望の食の台所を実現させていくのかという前向きな政策提言をして参ります。それは、私のツイッター@kawamatsushin16上でのやり取りが発端です。同時に、小池知事や市場PTが物流という言葉を使い始めた事にもよります。
誰だって新鮮さを求める
消費者が生鮮食品を手にするのは流通の最後の場面です。つまり、魚屋さんだったり、八百屋さんだったり、スーパーだったり、あるいはお寿司屋さんだったりと正にエンドユーザーとしてです。日常から信頼をしているお店等が販売しているものですから安心して口に入れています。当然、消費者の多くは、新鮮で清潔な野菜や魚の供給を希求しているのは言うまでもありません。
コールドチェーン
しかし、生鮮食料品流通の課題として、産地と小売店をつなぐコールドチェーンが中間地点の卸売市場で切れてしまいがちとの指摘もあることをご存知でしょうか?このコールドチェーンは商品を生産地から消費地まで一定の低温で管理して流通させる事です。そこで開放型の築地から、閉鎖型の新市場を整備してきたという側面もあります。ネズミやなんだが入って来られないのが閉鎖型だという主張が目立ちますが流通面でも効果があります。
産直が増加している背景の一つ
その中央卸売市場の施設の多くが開放型で、定温管理や高度な衛生管理が難しいことがあげられているのは当然です。例えば、量販店には、食品の鮮度や衛生状態に強いこだわりを持つ顧客が多いのも現実です。このため、量販店は施設の近代化が進まない卸売市場を見限り、自ら輸送や設備にコストをかけてでも産地に直接買い付けに赴いています。よく産直、産直というのは市場外流通の事を指すのです。産直が増えているのは食の安全・安心への意識の高まり、食生活の変化、インターネット取引の拡大などもありますが、総じて市場流通を取り巻く環境は急激に変化しています。
産直を市場に戻す為
そこでです。今まで、産地まで自ら買い付けて自ら各店舗へと配置していた上記のような量販店も、近隣に、定温管理が可能で衛生的な施設を有する市場があれば、至近で新鮮な食品の供給を受けることができることから、遠方の産地にわざわざ赴かなくてもよくなるのです。
実際に飲食店では、築地以外で仕入れているという話はよく聞きます。価格の問題もあるかもしれません。それ故に機能が整備されてくれば、東京の中央卸売市場の取扱量を増やす事は目に見えています。
加工品というテーマも
もう一点あります。それは加工品です。こちらは更に衛生面での管理運営が重要しされます。そこで豊洲市場には加工パッケージ棟が整備されていて、これは業界の皆様にも喜ばれた施設です。勿論、温度管理も徹底されます。
などなど、築地市場機能として近年中々時代のニーズに応える必要があるものを自信をもって整備してきたのです。ですから、豊洲市場に移転するという事は、失われた首都東京の市場機能を活性化させる事であり、現況データを基とする未来予測は大きな逆バネの可能性もあるという事です。
豊洲市場100億円赤字論は要注意
ちなみに、豊洲市場が赤字か黒字かという視点も上記のような流通形態の変更でだいぶ変わるものと認識しています。約100億円の赤字というのは数字のマジックで、イニシャルコストとランニングコストをごちゃ混ぜで語るのは世論誘導としか思えません。こちらも、今後は掘り下げておきますが下記に参考データを載せておきます。
2017年1月25日 市場問題PT(第5回)資料3より抜粋
1 減価償却費込み
総収益68億 − 総費用166億 = 赤字98億(約100億の赤字)
☆本庁を含む11市場全体の収支は黒字(営業損益ベース・市場財源分のみ)
2 減価償却費抜き
総収益68億 − 総費用95億 = 赤字27億
☆本庁を含む11市場全体の収支は黒字(営業損益ベース・市場財源分のみ)
編集部より:このブログは東京都議会議員、川松真一朗氏(自民党、墨田区選出)の公式ブログ 2017年4月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、川松真一朗の「日に日に新たに!!」をご覧ください。